NetWorkerデータベースをbootstrapから復旧する
※8.1以降では、下記手順の一部を自動化したnsrdrコマンドを使用してNetWorkerデータベースの復旧を行うことも可能です。nsrdrコマンドの詳細はNetWorkerのマニュアルをご参照ください。(クラスタ構成の場合は nsrdrコマンドをご使用いただけません。)
bootstrapがバックアップされた媒体を用意してください。
- NetWorker の デーモンを停止する
クラスタ構成の場合は、NetWorkerサーバパッケージを停止してください。
その後、以下のコマンドを実行してください。
# nsr_shutdown -q
NetWorker7.2.1以前は上記の代わりに以下のコマンドを実行してください。
# nsr_shutdown -a -q
- データベースを退避する
ディスクの空き容量が少ない場合は、 他のファイルシステム上に退避するなどしてください。
クラスタ構成の場合、共有ディスク上のNetWorkerデータベースに対して行ってください。
# cd /nsr
# mv res res.sv
# mv mm mm.sv
# mv index index.sv
- NetWorkerを再起動する
- bootstrapをバックアップした媒体をロードするデバイスを設定する
NetWorker Management Console(NMC)(NetWorker7.2.1以前の場合は nwadmin)または nsradmin を使い、デバイスの設定をしてください。
NMCで設定を行うには、
「nsraddadmin -u "user=ユーザ名, host=ホスト名"」コマンドを
NetWorkerサーバ上で実行し、NMCユーザ名とホスト名を登録する必要があります。
ジュークボックスを使用している場合は、jbconfigで設定をし、設定後以下を実行してください。
- ドライブにロードされている全媒体をスロットに戻します。
# nsrjb -vHE
- インベントリを行い、媒体のボリューム名を確認します。
bootstrap がバックアップされた媒体があるスロット番号がわかる場合は、
「-S スロット番号」をつけて実行すると指定したスロットだけインベントリを実施するので、
作業を短時間で行うことができます。
# nsrjb -I
- bootstrap がバックアップされた媒体をドライブにロードする
ジュークボックスを使用している場合は、nsrjb コマンドを使ってロードしてください。
# nsrjb -ln -S スロット番号 -f デバイス名
- 最新のbootstrapのセーブセットIDを確認する
グループバックアップの完了時に報告される bootstrap 情報のセーブセットIDを確認してください。
NetWorkerのデフォルトの設定では、
bootstrap 情報はグループバックアップの実行毎にroot宛にメールで通知されます(7.2.1以前はプリンタで印刷)。
プリンタが設定されていない場合は /nsr/logs/messages に出力されます。
bootstrap のセーブセットIDが分からない場合は、以下のコマンドを実行しテープを検索してください。
# scanner -B デバイス名
- データベースのリカバリをする
ジュークボックスを使用している場合は、以下のmmrecov の終了後、媒体を unload してください。
# mmrecov
- NetWorkerのデーモンを停止する
クラスタ構成の場合は、NetWorkerサーバパッケージを停止してください。
その後、以下のコマンドを実行してください。
# nsr_shutdown -q
NetWorker7.2.1以前は上記の代わりに以下のコマンドを実行してください。
# nsr_shutdown -a -q
- 設定情報を置き換える
クラスタ構成の場合は、共有ディスク上のNetWorkerデータベースに対して行ってください。
# cd /nsr
# mv res res.org
# mv res.R res
- NetWorkerを起動する
- リソースを確認する
NetWorkerのリソースが正しく復旧したか確認してください。
また、ジュークボックスを使用している場合は、インベントリを実行してください。
# nsrjb -vHE
# nsrjb -s サーバ名 -I
- クライアントインデックスのリカバリをする
以下を実行し、サーバ及び各クライアントのインデックスをテープからリカバリしてください。
# nsrck -L 7
- スキャンが必要なボリュームの対処
- mminfoでflags列にS (scan needed)フラグが設定されているボリュームがあるか確認してください。(NetWorker 8.2 SP1から、mmrecovを実行するとファイルデバイス上のボリュームにSフラグが設定されます)
# mminfo -mvV
- S (scan needed)フラグが設定されているボリュームをスキャンしてください。
# scanner -i デバイス名
※S (scan needed)フラグが設定されていないボリュームでも、bootstrapのバックアップ以降に書き込まれたボリュームに関してはスキャンが必要になります。
※ジュークボックスの場合は、scanner前にドライブへロード、scanner後にドライブからアンロードしてください。
- S (scan needed)フラグが設定されているボリュームはフラグを解除してください。
# nsrmm -o notscan ボリューム名
- 退避したファイルを削除する
復旧作業に問題がなければ、退避していたデータベースファイルを削除してください。
# cd /nsr
# rm -rf res.sv mm.sv index.sv res.org
データベース類を初期化してから復旧する
bootstrap セーブセットがない場合は、データベース類を初期化する必要があります。(以下の path の部分は、対応 OS に合わせて適切に置き換えて下さい)
クラスタ構成の場合、手順1~3の初期化(mvコマンド)は共有ディスク上のNetWorkerデータベースに対して行ってください。
設定情報以外のデータベースは、以下の手順で障害発生前の状態に戻す事も可能ですが、テープ全体を読み込むため時間がかかります。速やかに復旧するには、bootstrap セーブセットのバックアップを推奨します。
- データベースの初期化
- 設定情報を初期化する
以下のコマンドで初期化を実施した後に、必要な設定を全て再設定してください。
(設定情報が破損していない場合、この手順は不要です。)
# /path/init.d/networker stop
# mv /nsr/res /nsr/res.sv
# /path/init.d/networker start
# /path/init.d/networker svstart (NetWorker7.2.1以前のHA環境のみ)
- インデックスデータベースを初期化する
# /path/init.d/networker stop
# mv /nsr/index /nsr/index.sv
# /path/init.d/networker start
# /path/init.d/networker svstart (NetWorker7.2.1以前のHA環境のみ)
# nsrck -c
- メディアデータベースを初期化する
# /path/init.d/networker stop
# mv /nsr/mm /nsr/mm.sv
# /path/init.d/networker start
# /path/init.d/networker svstart (NetWorker7.2.1以前のHA環境のみ)
- データベースの復旧
- メディアデータベースとインデックスデータベースを復旧する
バックアップテープに対し以下のコマンドを実行すると、
そのテープのメディアデータベースと、
そのテープに格納されたセーブセットの分のインデックスデータベースを復旧できます。
ただし、テープ全体を読み込むため時間がかかります。
インデックスデータベースを完全に復旧させるには、
全てのテープに対し 以下のコマンドを実行する必要があります。
# scanner -i デバイス名
- メディアデータベースを復旧する
バックアップテープに対し以下のコマンドを実行すると、
そのテープのメディアデータベースを復旧できます。
メディアデータベースを完全に復旧させるには、
全てのテープに対し scanner コマンドを実行する必要があります。
# scanner -m デバイス名