StarOffice X V5.0~V5.3を運用している環境において、キャビネットやメールに登録されているMicrosoft Office 文書(Excel、Word)を更新した際に、ダイアログの表示が遅延する現象が発生する場合があります。
詳細について、以下の通り報告します。
【現象】
通常は、文書を更新した場合、Excel や Wordを終了した直後に更新後の文書をStarOffice Xに登録するかどうかを確認するダイアログが表示されます。
(例)キャビネットに登録されている Excel 文書を更新した場合、Excelの終了後に以下のダイアログが表示されます。
「文書を更新します。よろしいですか?」
本現象では、このダイアログが Excel や Word を終了後、20秒以上経過してから表示されます。
以下のクライアントOSやアプリケーションで本事象の発生が確認されています。
【クライアントOS】
Windows 10
【アプリケーション】
Microsoft Office 2013/2016/2019 Excel
Microsoft Office 2013/2016/2019 Word
【原因】
Excel や Word を終了し、画面が閉じた後もバックグラウンドでプロセスが20秒以上存在しており、StarOffice X はプロセスの終了を待っている状態となっています。
このプロセスの終了に時間がかかる動作は、StarOffice X ではなく Windows Explorer などから起動した場合にも確認されており、Windows 10 の動作に問題がある可能性があります。
【発生条件】
この問題は Windows 10 の全てのクライアント PC で発生するわけではなく、発生条件は判明しておりませんが、Office が Microsoft のオンラインサービスに接続する仕様に起因して発生している可能性があります。
【対処方法】
以下のいずれかのOfficeに対応した設定により事象が改善する可能性があります。
・Office2019(バージョン 1904 以降)
・Office2016、およびOffice2019(バージョン 1903 以前)
・Office2013
●Office2019(バージョン 1904 以降)の対処方法
<Office2019(バージョン 1904 以降)の設定変更>
Office テレメトリを無効にする設定(DisableTelemetryの有効化)を行います。
① レジストリエディター(regedit)を起動します。
② 下記レジストリの情報を変更します。
存在しない場合は、新規作成します。
キー:\HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\Common\ClientTelemetry
名前:DisableTelemetry
種類:DWORD(32ビット)値
データ:1
③ レジストリエディターを終了します。
④ Windowsからサインアウト、またはWindowsを再起動し、再度Windowsにサインインします。
補足:
本設定をExcelまたはWordで確認する方法は、ありません。
●Office2016、およびOffice2019(バージョン 1903 以前)の対処方法
<Office2016、およびOffice2019(バージョン 1903 以前)の設定変更 >
Officeの使用状況や環境設定をインターネット経由でMicrosoftに提供する設定を無効にします。
① Excel、またはWordを起動します。
② [ファイル] - [オプション] を選択しオプション画面を表示します。
③ [セキュリティセンター] - [セキュリティセンターの設定...] ボタンクリックしてセキュリティセンター画面を表示します。
④ [プライバシーオプション]を選択し、プライバシーオプションの
「OfficeをMicrosoftのオンラインサービスに接続して、使用状況や環境設定に関連する機能を提供できるようにしますか?」
のチェックボックスのチェックをはずします。
⑤ OKボタンでセキュリティセンターの設定変更を反映します。
⑥ ①で起動したExcel、またはWordを終了します。
⑦ Windowsからサインアウト、またはWindowsを再起動し、再度Windowsにサインインします。
●Office2013の対処方法
<Office2013の設定変更>
UseOnlineContent(Officeのインターネット接続の許可設定)を無効にします。
① レジストリエディター(regedit)を起動します。
② 下記レジストリの情報を変更します。
存在しない場合は、新規作成します。
キー:\HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\15.0\Common\Internet
名前:UseOnlineContent
種類:DWORD(32ビット)値
データ:0
③ レジストリエディターを終了します。
④ Windowsからサインアウト、またはWindowsを再起動し、再度Windowsにサインインします。
補足:
本設定はExcelまたはWordにて、次の手順で確認できます。
① [ファイル] - [オプション] を選択しオプション画面を表示します。
② [セキュリティセンター] - [セキュリティセンターの設定...] ボタンクリックしてセキュリティセンター画面を表示します。
③ [プライバシーオプション]を選択し、プライバシーオプションの
「Officeのインターネット接続を許可する(C)」が無効(設定できない)となっていることを確認します。
<Excel、またはWordの終了にかかる時間の確認>
StarOffice Xを使用しない状態で、Excel、またはWordのプロセス終了にかかる時間を以下の方法で確認します。
(以下はExcelについての説明です。Wordについて確認を行う場合は「Excel」を「Word」に、「EXCEL.EXE」を「WINWORD.EXE」に、それぞれ読み替えてください。)
① タスクマネージャーを起動して、詳細タブでプロセス一覧を表示します。
② Excelを起動します。
③ タスクマネージャーの詳細タブのプロセス一覧にEXCEL.EXEが表示されます。
④ Excelでローカルに存在する文書を開き編集して、Excelを終了します。
⑤ タスクマネージャーの詳細タブのプロセス一覧からEXCEL.EXEがすぐに消える(プロセスがすぐに終了)か数十秒かかるか(プロセスの終了に時間がかかる)か確認してください。
上記<Excel、またはWordの終了にかかる時間の確認>で、タスクマネージャーの詳細タブのプロセス一覧からEXCEL.EXEがすぐに消えず時間がかかる場合は、Excel自体がすぐに終了しないということになります。
その場合は、StarOffice X側の設定などで変更する方法はありませんので、当該事象が発生した場合は、文書更新の終了後に更新メッセージが表示されるまでお待ちください。
対象バージョンは以下の通りです。
- StarOffice X V5.0以降のバージョン