本現象は、Microsoft Excel 2016 バージョン 1708 以降、Microsoft Word 2010 以降で発生していることが確認されています。
発生条件に合致するバージョンか否かは、以下のどちらかの方法で確認することができます。
【原因】
本現象は、Microsoft Excel、Microsoft Word の動作仕様が変更され、Excel や Word を StarOffice X から複数起動した場合でも起動されるプロセスが1つになったことに起因しています。
なお、Adobe Reader でも、同じ原因による類似の事象が発生します。
【確認方法】
・Microsoft Excel/Word のファイルメニューから「アカウント」を選択し、バージョンを確認してください。
・Windowsタスクマネージャーの[プロセス]タブもしくは[詳細]タブで Microsoft Excel、Microsoft Word を StarOffice X から複数起動した場合のプロセスが1つか否かを確認してください。
【対処方法】
以下の(1)、(2)を実施してください。
Microsoft Excel 2016のバージョンが混在する環境でも対処可能です。
(1)SBXCConf.incファイルの、「GARRAY_PROCESS_OPTION」を下記内容に従って設定してください。
・対処サーバ:全Webサーバ
・ファイル名:SBXCConf.inc
・格納先フォルダ:<StarOfficeフォルダ>\Cabinet\WebAccess\BCab\cfg
・ファイルの文字コード:UTF-8(BOMつき/無しどちらでも可)
・設定内容:
GARRAY_PROCESS_OPTION = Array( _
Array("EXCEL.exe", "16", "/x"), _
Array("WINWORD.exe", "14", "/w"), _
Array("WINWORD.exe", "15", "/w"), _
Array("WINWORD.exe", "16", "/w"), _
Array("AcroRd32.exe", "6.0", "/n"), _
Array("AcroRd32.exe", "7.0", "/n"), _
Array("AcroRd32.exe", "8.0", "/n"), _
Array("AcroRd32.exe", "9.0", "/n"), _
Array("AcroRd32.exe", "10.0", "/n"), _
Array("AcroRd32.exe", "11.0", "/n"), _
Array("AcroRd32.exe", "DC", "/n"), _
Array("iexplore.exe", "Program", "-nohome") _
)
・設定内容の補足
①行単位の設定順番は任意ですが、設定の最終行の末尾は必ず")<space> _"にしてください。他の行の末尾は"), _"です。
※<space>は半角空白1文字を表します。
②各設定行の意味は以下の通りです。StarOffice X のインストール後の既定値は、バージョン毎に異なりますので、利用されている文書ツールに応じて、設定を確認し、不足分を追加してください。
- "WINWORD.exe"の行は、"14","15","16"がそれぞれ、Microsoft Word 2010, 2013, 2016/2019/2021/2024 向けの設定です。
- "EXCEL.exe"の行は、"16"がMicrosoft Excel 2016/2019/2021/2024 向けの設定です。Microsoft Excel 2010, 2013 向けの設定は不要です。
- "AcroRd32.exe"の行は、Adobe Reader の各バージョン向けの設定です。
- "iexplore.exe"の行は、html や htm ファイルが開けない事象が発生する環境で設定してください。
③本設定の変更は、即時反映されますので、ファイルの更新は慎重に行ってください。
・参考:上記設定は以下のマニュアルに記載されている設定です。
『運用管理者編 コンフィグレーションガイド』
第2章 キャビネット・掲示板
- Web キャビネット・Web 掲示板の設定を確認・変更する
- サービス固有の設定
- (108) 起動アプリケーションのコマンドオプションの設定機能
(2)Webメールの設定をします。StarOffice X のバージョンにより対象ファイルが異なります。
■StarOffice X V2.0.07.01 統合オーバーライト から V4.0 の場合
「SOCDocEditDllProcessOption」を下記内容に従って設定し、WebOTX AS Agent Service を再起動してください。
・対処サーバ:全Webサーバ
・ファイル名:CommonConfig.properties
・格納先フォルダ:<StarOffice フォルダ>\Mail\WebMail\WEB-INF\classes
・ファイルの文字コード:ANSI(Shift-JIS)
・設定内容:
SOCDocEditDllProcessOption=
EXCEL.exe:16:/x|WINWORD.exe:14:/w|
WINWORD.exe:15:/w|WINWORD.exe:16:/w|
AcroRd32.exe:6.0:/n|AcroRd32.exe:7.0:/n|
AcroRd32.exe:8.0:/n|AcroRd32.exe:9.0:/n|
AcroRd32.exe:10.0:/n|AcroRd32.exe:11.0:/n|
AcroRd32.exe:DC:/n|iexplore.exe:Program:-nohome
■StarOffice X V5.0以降の場合
「document_socdocedit_processoption」を下記内容に従って設定してください。
・対処サーバ:全Webサーバ
・ファイル名:config.js
・格納先フォルダ:<StarOffice フォルダ>\SOUI\sox
・ファイルの文字コード:UTF-8(BOM無し)
・設定内容:
document_socdocedit_processoption:
"EXCEL.exe:16:/x|WINWORD.exe:14:/w|
WINWORD.exe:15:/w|WINWORD.exe:16:/w|
AcroRd32.exe:6.0:/n|AcroRd32.exe:7.0:/n|
AcroRd32.exe:8.0:/n|AcroRd32.exe:9.0:/n|
AcroRd32.exe:10.0:/n|AcroRd32.exe:11.0:/n|
AcroRd32.exe:DC:/n|iexplore.exe:Program:-nohome",
なお、上記設定を反映するためには併せて「ScriptLoader.inc」ファイルを変更する必要があります。
サービスの再起動は不要です。
「ScriptLoader.inc」ファイルを変更するための詳細な手順は以下のマニュアル箇所を参考としてください。
『運用管理者編 コンフィグレーションガイド』
第1章 StarOffice X 共通事項
- コンポーネント共通設定
- 外部ファイル入出力,文書作成/編集/参照/印刷の設定(クライアント)を変更する
- 設定方法 - 2. 設定の反映
■バージョン共通の設定内容の補足
①文書ツール単位の設定順番は任意ですが、文書ツール単位の設定の間には、"|" を挿入してください。最後の設定の末尾には、"|" を記載しません。
②表示の関係で変更例が改行されているように見えるかもしれませんが、実際には1行になるように設定してください。
③各設定行の意味は、Webキャビネットの設定と同等です。「【対処方法】(1)」を参照ください。
④StarOffice X V5.0以降では、本設定の変更は、即時反映されますので、ファイルの更新は慎重に行ってください。
対象バージョンは以下の通りです。
- StarOffice X V2.0.07.01 統合オーバーライト以降のバージョン