<補足:KB937056 の問題について>
KB937056 の問題は、インターネット プロトコル (TCP/IP) のプロパティ画面で [次の IP アドレスを使う] を選択して IP アドレスを設定後、再度プロパティ画面を開くと、[IP アドレスを自動的に取得する] が選択された状態となり、設定したIPアドレスが消えてしまう(表示されない)問題です。
この問題は DNS サーバーに関する設定でも同様のことが発生します。
画面例1:事象発生時のプロパティ画面
ただし、この状態でも、プロパティ画面上では表示されない設定した固定 IP アドレスが、実際の通信においては、利用可能となります。
この事象が発生している状態で、コマンド プロンプトから「 ipconfig /all 」コマンドで確認すると、設定した固定 IP アドレスが追加で表示された状態となることがあります。
また、再度 IP アドレスを設定し直すと、「 ipconfig /all 」による確認で、変更前と変更後の両方の IP アドレスが表示される場合があります。
KB937056 の問題は、レジストリ値 Config に既にアンインストール済みの NIC の情報が残留していることに起因して発生します。そのため、NIC のアンインストールを実行しなければ、KB937056 の問題は発生しないと考えられますが(
※特記事項)、レジストリに不正な情報が残留する原因については、マイクロソフト社にても判明していない状況です。
お客様システムにおける KB937056 の問題が、プロパティ画面の表示上の不具合に留まり運用上の支障が出ていなければ、そのまま運用を継続いただくことも可能です。
(その場合、下記<復旧手順>の実施は不要です。ただし、既にレジストリ値 Config を削除済みの場合には、<復旧手順>を実施してください。)
なお、<復旧手順>を実施していない状態で運用されている場合に、上述のとおり「 ipconfig /all 」による確認において、変更前の IPアドレスが表示されて運用上不都合がある場合には、以下のコマンドにて不要な固定 IP アドレスを削除することが可能です。コマンド実施後は、再度「 ipconfig /all 」を実行して不要なアドレスが削除されていることを確認のうえ、実際の通信にて、意図する IP アドレスのみが利用可能であるか、また、システムを再起動して問題ないか、お客様にて十分なご確認を実施願います。
netsh interface ipv4 delete address <ネットワーク接続> <IP アドレス>
<※特記事項:ftサーバにおいて、KB937056 の問題が発生する要因>
ftサーバでは、お客様が NIC のアンインストールを実施していない場合でも、Windows OS の既定動作により OS 標準の NIC ドライバが削除されるために、KB937056 の問題が発生する場合があります。
Windows のインストール時において OS 標準の NIC ドライバがインストールされますが、OS が Windows Server 2012 R2 以前の ftサーバでは専用の二重化用 NIC ドライバを使用するために、OS 標準 NIC ドライバが使用されていない状況になります。この状況は、Windows OS 観点では NIC を取り外した場合と同様の状況と認識されます。
その後、システムが運用状態になりますと Windows OS の動作として定期的に自動クリーンアップ処理が実行されますが、その際に利用されていないドライバの削除が行われます。
(このクリーンアップ処理は、Windows のメンテナンスタスクから実行される処理となり、デバイスが前回の取り外しから 30 日以上経過した場合、もしくは、デバイスの存在しない期間が 30 日より長い場合に、該当デバイスが削除されます。)
その結果として、上述しました OS 標準の NIC ドライバが削除された際に KB937056 の問題が発生する場合があります。