Gratuitous Address Resolution Protocol(以降、Gratuitous ARP)を使用するゲートウェイ(ネットワークロードバランサー等)でフェイルオーバーが発生し、ゲートウェイがフェイルオーバーしたことがクライアントに通知された場合に、一部のネットワーククライアントがNEC iLO5(以降、iLO 5)に到達できないことがあります。その結果、iLO 5に接続不可となります。
[事象発生の流れ]
1. iLO 5は、構成されているゲートウェイのMACアドレスを取得します。
2. MACアドレスがiLO 5のルーティングテーブルに保存されます。
3. ゲートウェイの別のMACアドレスがGratuitous ARPを介してiLO 5に送信されます。ゲートウェイのIPアドレスは同じですが、MACアドレスが変更されています。
4. しかしながら、iLO 5は引き続き古い(その時点では不正になっている)MACアドレスを使用して、ゲートウェイとの通信を試みます。
[発生条件]
ゲートウェイの変更時に、Gratuitous ARPを使用するゲートウェイ(ネットワークロードバランサー等)が組み込まれているiLO 5システムが発生条件になります。この問題は、IPv4ゲートウェイのMACアドレスが変更され、新しいIPv4アドレスがGratuitous ARPを介してiLO 5に送信される場合にのみ発生します。
[処置]
iLO 5がゲートウェイ自体に対してARPを実行し、新しいゲートウェイから応答を受信すると、MACアドレスは予期したとおりに更新されます。従いまして、iLO5からゲートウェイの先への通信ができなくなった場合、以下の暫定処置を実施頂くことで回避されます。
暫定処置:本体装置のUIDスイッチ押下、またはBMC構成ユーティリティからiLO 5リセットを行う事でiLO 5を再起動させて、ルーティングテーブルが正しく更新されるようにしてください。
恒久処置として、iLO 5バージョン 2.31以降では、IPv4ゲートウェイのMACアドレスの更新を指示するARPパケットに反応してルーティングテーブル内のiPv4ゲートウェイのMACアドレスが更新されるように修正されております。