VMware環境の収集操作が遅い場合の対処方法について説明します。
【現象】
SigmaSystemCenter3.8以降、後述の条件下でVMware環境の収集操作が、操作開始から完了まで、極端に遅くなる場合があります(利用環境の構成などに依存しますが、数十分以上かかる場合があります)。
また、以前のバージョンと比較して遅くなる場合があります。
【原因】
収集処理中に行われるESXiのCIMサーバから物理ディスクの詳細情報を収集する処理において、実行環境が以下のいずれかの条件に該当すると、時間がかかる場合があります。
・ESXi上でCIMサーバが停止している場合
CIMサーバから情報取得の処理がタイムアウトで失敗するまで、収集処理の時間がかかります。
・WinHTTPプロキシ設定環境下でプロキシ経由への接続ができない場合
CIMサーバへは、WinHTTPプロキシの設定に従って接続が行われます。設定されているプロキシ経由でCIMサーバへ接続ができない場合は、CIMサーバから情報を取得する操作がタイムアウトで失敗するまでに、時間がかかる場合があります。
WinHTTPプロキシが設定されているかは、下記のコマンドをSigmaSystemCenterの管理サーバ上のコマンドプロンプトで実行することで確認ができます。
netsh winhttp show proxy
ESXiのCIMサーバから収集した物理ディスクの詳細情報は、NEC Hyper Converged System Consoleのディスク表示の機能で使用されます。
SigmaSystemCenterでは利用されませんが、共通の処理として実装されているため、処理時間に影響があります。
【対処方法/回避方法】
以下の通り、3つの対処方法があります。
・CIMサーバから情報を取得する処理を無効化
前述のいずれの原因においても、CIMサーバから情報を取得する処理を無効化しても問題ない場合は、下記のレジストリを変更し、無効化する方法で対処可能です。前述の通り、NEC Hyper Converged Systemの機能を利用しない場合は、無効化しても、SigmaSystemCenterの機能、および表示に影響はありません。
キー名:
HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥WOW6432Node¥NEC¥PVM¥Provider¥VM¥VMware
バリュー(DWORD) : EnableCollectCimStorageExtent
デフォルト値: 0
上記対処が行えない場合は、原因別に以下の対処を実施してください。
・ESXi上でCIMサーバが停止している場合
ESXiのCIMサーバを起動してください。
・WinHTTPプロキシ設定環境下でプロキシ経由への接続ができない場合
ESXiへの接続にプロキシを経由する必要がある場合は、接続できるようにWinHTTPプロキシの設定を見直してください。プロキシを経由する必要がない場合は、下記のレジストリを変更し、CIMサーバへの接続にWinHTTPプロキシの設定を参照しないように設定してください。
キー名: HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥WOW6432Node¥NEC¥PVM¥Provider¥VM¥VMware
バリュー(SZ): WsmanProxySetting
デフォルト値: NoProxyServer