WebOTX Application Server V9.2 において、複数のドメイン環境でシステムIDに0を指定した場合の問題について
概要
システムIDに0を指定したドメインとシステムIDに1を指定したドメインの両方を起動すると、後から起動したドメインでTPシステムの起動に失敗します。
この問題を回避するには、システムIDの値を変更する必要があります。
詳細
ドメインの作成時に指定するパラメータに「システムID」があります。(※1)このシステムIDは、TPシステムで利用する共有メモリの識別子や、オブジェクトリファレンスのラウンドロビンのIDに使用しています。
WebOTX Application Server Standard V9.2 もしくは WebOTX Application Server Enterprise V9.2 において、システムIDに0が指定されている場合に、システムIDに1が指定されたドメインと同じ共有メモリを使用するために、後から起動されたドメインでTPシステムが共有メモリの確保に失敗し、TPシステムの起動に失敗します。
発生条件
- システムIDに0を指定したドメインとシステムIDに1を指定したドメインがあり、その両方のドメインを起動する。
上記条件を満たすと、後から起動したドメインにおいて、Windowsではイベントログ、Linux、HP-UXではsyslogに、以下のような一連のメッセージが出力されます。
- TPS15-00701 クラス管理テーブルが既に存在しています。 KEYID=[<8桁の数字> ]
- TPS15-01102 TPモニタが異常終了しました。
- OTX07110058: TPシステムは 120,000 ミリ秒以内に起動しませんでした。 [ <ドメイン名>]
- OTX07200004: TP モニタマネージャライフサイクルの起動時にエラーが発生しました。 [ <ドメイン名>] Error: com.nec.webotx.enterprise.tpmonitormanager.external.common. TPMonitorManagerException : TPシステムは 120,000 ミリ秒以内に起動しませんでした。
- OTX01205103: サービス service.TPMonitorManagerService" を起動することができません!起動する際は、各種運用管理ツールから再度実行して下さい : TPMonitorManagerService " [ <ドメイン名>]
- OTX01205193: 一部の内部ライフサイクルモジュールの起動に失敗しています。 起動に失敗した内部ライフサイクルモジュール: [TPMonitorManagerService] [ <ドメイン名>]
上記の「OTX07110058」「OTX07200004」「OTX01205103」「OTX01205193」のメッセージは、以下のログでも確認できます。
- Windows : <ドメインディレクトリ>\logs\webotx_agent.log
- Linux, HP-UX : <ドメインディレクトリ>/logs/webotx_agent.log
また、上記の「TPS15-00701」「TPS15-01102」のメッセージは、以下のログでも確認できます。
- Windows : <ドメインディレクトリ>\logs\tpsystem\history.act (※2)
- Linux, HP-UX : <ドメインディレクトリ>/logs/tpsystem/history.act (※2)
(※1) ドメイン作成時のプロパティファイルにて tpsystem.systemid で指定します。
(※2) history.act. <数字> というファイル名で世代管理されます。
影響のある製品
次の製品に影響があります。
- WebOTX Application Server Standard V9.2
- WebOTX Application Server Enterprise V9.2
いずれも WebOTX Media V9 Release 3 からインストールした製品の場合に影響があります。WebOTX Media V9 Release 4 以降からインストールした製品に影響はありません。
ご利用の製品が WebOTX Media V9 Release 3 からインストールされているかどうかは以下で確認できます。
Windowsの場合
(1) 以下の手順で「プログラムと機能」を表示します。
- Windows Server 2008 の場合
- 「スタート」メニューから「コントロールパネル」-「プログラムと機能」を選択
- Windows Server 2012 の場合
- 「Windows」ボタンを押下して「スタート」画面を表示して「コントロールパネル」-「プログラムと機能」を選択
(2) WebOTX製品を選択し、バージョン番号を確認します。
- Windows Server 2008 の場合
- メニューバーの「表示」-「詳細表示の設定」-「バージョン」を選択し、「OK」をクリック
- Windows Server 2012 の場合
- 「整理」-「レイアウト」-「詳細ウィンドウ」をクリック
(3) WebOTX Media V9 Release 3からインストールした場合は、「Version」の情報に「9.20.0000」もしくは「9.21.0000」が表示されます。
Linux、HP-UXの場合
以下のコマンドを実行し、バージョン番号を確認します。
- # /opt/WebOTX/bin/otxadmin version --verbose バージョン = WebOTX 9.21.00.xx (build xxxxxxxx)コマンド version は正常に実行されました。
WebOTX Media V9 Release 3からインストールした場合、「バージョン = WebOTX ...」の行の中に、「9.20」もしくは「9.21」で始まる値が表示されます。
対処方法
現在、パッチモジュールを作成しております。公開次第、本ページを更新いたします。
パッチモジュールが公開されるまでは、回避策の実施をお願いします。
回避策
パッチモジュールの公開まで、以下の手順でシステムIDに0を指定しないようにすることで、回避をお願いします。
統合運用管理ツール / Web 版統合運用管理コンソール を使用する場合。
- WebOTX が提供する運用管理ツールを使用して、システムIDに0を指定したドメインにログインします。
- システムIDに0を指定したドメインのTPシステムを停止します。「ドメイン名」-「TPシステム」を右クリックして、「システムの停止」を選択してください。
- システムIDを変更します。「TPシステム」の「システム情報」タブの「システムID」の値を0以外で、かつ他のドメインと重複しない値に変更し、「更新」ボタンを押下します。
- システムIDを変更したドメインからログアウトします。
- WebOTX が提供する運用管理ツールを使用して、管理ドメインにログインします。
- システムIDを変更したドメインを再起動します。「WebOTX管理ドメイン」を右クリックし、「管理対象ドメインの停止」を選択してください。表示されたウィンドウで「ドメイン名」の欄に、「追加」ボタンからシステムIDを変更したドメインを追加し、「実行」ボタンを押下します。停止後、「閉じる」ボタンを押下してウィンドウを閉じます。「WebOTX管理ドメイン」を右クリックし、「管理対象ドメインの起動」を選択してください。表示されたウィンドウで「ドメイン名」の欄に、「追加」ボタンからシステムIDを変更したドメインを追加し、「実行」ボタンを押下します。
運用管理コマンド (otxadmin) を使用する場合。
- WebOTX が提供する運用管理コマンドを使用して、システムIDに0を指定したドメインにログインします。
otxadmin> login --user <ユーザ名> --password <パスワード> --host <ホスト名> --port <システムIDに0を指定したドメインのポート番号>
- TPシステムを停止します。
otxadmin> stop-system
- 次の set サブコマンドでシステムIDの値を0以外で、かつ他のドメインと重複しない値に変更します。
otxadmin> set tpsystem.systemID=<システムID>
例) otxadmin> set tpsystem.systemID=2
- システムIDを変更したドメインからログアウトします。
otxadmin> logout
- システムIDを変更したドメインを再起動します。
otxadmin> stop-domain --remote=true --user <ユーザ名> --password <パスワード> --host <ホスト名> --port <管理ドメインのポート番号> <システムIDを変更したドメインのドメイン名>
otxadmin> start-domain --remote=true --user <ユーザ名> --password <パスワード> --host <ホスト名> --port <管理ドメインのポート番号> <システムIDを変更したドメインのドメイン名>
製品名カテゴリ
WebOTX
WebOTX Application Server
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コンテンツID:
3010101046
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公開日:
2014年09月25日
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最終更新日:2014年09月29日