概要
OLTP基盤を備えたWebOTX Application Server (以降、WebOTX ASと略す)のエディションでは、プロセスグループと呼ばれるTPモニタ制御機構の下でWebアプリケーションを動作させることができます。その際、WebOTX ASの内部では配備されたWebアプリケーションを特定の制御用ディレクトリに配置し、プロセスグループを起動するたびに、その実行・運用に必要なファイルとディレクトリを一時的に生成します。
本不具合は、プロセスグループを停止させた際に上記の一時領域が削除されずに残存するものです。それにより、プロセスグループの再起動を繰り返していくとディスク容量が枯渇してシステムに深刻な影響を与える可能性があります。
影響のある製品
次の製品が該当し、それらがサポートする全てのOSで影響があります。
- WebOTX Application Server Standard V9.2~9.4
- WebOTX Application Server Enterprise V9.2~9.4
詳細
本件の問題は、以下の条件をすべて満たした場合に発生します。
<発生条件>
- Webコンテナの動作モードとしてアドバンスドモードをインストール時に選択
- プロセスグループに配備したWebアプリケーション・アーカイブ(WARファイル)内のWEB-INF/lib 配下にリソースファイル(※)を含むJARファイルが存在
(※)リソースファイルとは、Javaクラスファイル(*.class)以外のファイルのことを指します。例えば、拡張子が「.properties」や「.xml 」などのファイルが該当します。
この条件を満たすWebアプリケーションがプロセスグループに配備されると、WebOTX ASはドメイン名のディレクトリ下に位置する制御用ディレクトリ配下にWARファイルを展開して、当該リソースファイルを読み込みます。
generated/jsp/{AP名}/loader_{ハッシュ値}
ハッシュ値はプロセスグループを起動する度に変わります。本不具合は、プロセスグループ停止時に該当フォルダをWebOTX ASが削除していないために発生します。
対処方法
本問題を修正したV9.4のWindows、HP-UX版のパッチを以下で公開しています。
上記以外の製品に対するパッチの公開時期は現在検討中です。急ぎでパッチが必要な場合はご連絡ください。
(注意) パッチモジュールは製品保守契約を結んでいただいたお客様に限定して提供させていただいています。まだ契約がお済みでないお客様は、保守契約締結の後、ダウンロードをお願いいたします。
回避方法
Webアプリケーションがリソースファイルを参照する場合は、リソースファイルをWARファイル内のWEB-INF/lib 配下のJARファイルから削除し、クラスパスの通った場所(例えば、WARファイル内のWEB-INF/classes配下)に配置してください。
既に generated/jsp/{AP名} 配下に「loader_<XXXX>」のフォルダが作成されている場合は、プロセスグループの停止後に削除してください。
更新履歴
2017/4/7 初版
2017/5/26 第二版