概要
IISのワーカープロセスが終了するタイミングにおいて、IISとWebコンテナを連携するISAPIプラグインでアクセス違反が発生しIISのワーカープロセスがアボートする場合があります。
本件はリクエスト処理後のプロセス終了時に発生するため、リクエスト処理には影響がなくイベントログにエラーが記録されるのみです。IISのワーカープロセスが終了するタイミングは、IISが停止する時とIISのワーカープロセスがリサイクルされる時になります。
影響のある製品
< Windows >
- WebOTX Application Server Express V10.10~V10.12
- WebOTX Application Server Standard V10.10~V10.12
上記の環境において、ISAPIプラグインのバージョンが 1.2.42.1 である場合に問題があります。
ISAPIプラグインのバージョンの確認方法は以下のとおりです。
<WebOTXインストールディレクトリ>\bin\win64\x64\isapi_redirect.dll をエクスプローラで選択して右クリックメニューでプロパティを開き「詳細」より、「ファイルバージョン」が以下になっていることを確認します。
プロパティ |
値 |
ファイルバージョン |
1.2.42.1 |
詳細
[発生条件]
IISとWebコンテナを連携して利用している。
[発生事象]
IISのワーカープロセスの終了時に行うisapi_redirect.dllの終了処理で、既に
ヒープメモリの解放を行った領域にアクセスしようとしてisapi_redirect.dll
でアクセス違反が発生しプロセスアボートする。
[確認方法]
イベントログに以下のエラーが記録されていれば本件に合致します。
レベル:エラー
障害が発生しているモジュール名:isapi_redirect.dll、バージョン:1.2.42.1
例外コード:0xc0000005
障害オフセット:0x0000000000028117
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対処方法
製品に対するパッチの公開時期は現在検討中です。
急ぎでパッチが必要な場合は調整しますのでご相談ください。
(注意) パッチモジュールは製品保守契約を結んでいただいたお客様に限定して提供させていただいています。
まだ契約がお済でないお客様は、保守契約締結の後、ダウンロードをお願いいたします。
回避方法
IISのワーカープロセスがリサイクルされる際のアボートの回避方法は、IISのアプリケーションプールのリサイクルを無効にします。
- IISマネージャを起動します。
- Windows Server 2012 の場合
[スタートメニュー] > [管理ツール] > [インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャ] を選択。
- Windows Server 2016 の場合
[スタートメニュー] > [Windows 管理ツール] > [インターネット インフォメーション サービス(IIS)マネージャ] を選択。
- 左ペインの[サイト]を展開し、Webコンテナとの連携に使用するサイトを選択します。
- 右ペインの[基本設定]を押下します。
- [サイトの編集]ダイアログの[アプリケーションプール]の値をメモし[キャンセル]を押下します。
- 左ペインの{サーバ名} 部分を展開し [アプリケーションプール] を選択します。
- 中央ペインで、メモしておいたアプリケーションプール名と同じ行を選択します。
- 右ペインの「リサイクルの設定」を押下します。
- 全てのチェックを外し「次へ」を押下します。
- 「終了」を押下します。
IIS停止時のIISのワーカープロセスのアボートに対する回避方法はありません。
回避方法の影響
WebOTXが利用するアプリケーションプールでWebOTX以外のIISのアプリケーションも動作させている場合は、
IISのアプリケーションに対するリサイクル無効の影響有無をご確認ください。
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