概要
CORBAまたはEJBアプリケーション利用時に、4KB程度以上のサービスコンテキストを含むリクエストを受信した場合にIIOPリスナプロセスが異常終了することがあり、以降、リクエストを受け付けることができない。
影響のある製品
< Linux >
- WebOTX Application Server Standard V12.1 まで全てのバージョン
- WebOTX Application Server Enterprise V9.4 まで全てのバージョン
< HP-UX >
- WebOTX Application Server Standard V10.31 まで全てのバージョン
- WebOTX Application Server Enterprise V9.4 まで全てのバージョン
< Windows >
- WebOTX Application Server Standard V12.1 まで全てのバージョン
- WebOTX Application Server Enterprise V9.6 まで全てのバージョン
詳細
CORBAまたはEJBアプリケーション利用時に、4KB程度以上のサービスコンテキストを含むCORBAリクエストを受信した場合、IIOPリスナプロセスが異常終了することがあり、以降、リクエストを受け付けることができない問題が発生します。リクエストを送信する製品がWebOTXである場合には本問題は発生しません。他社のアプリケーションからWebOTXを呼び出した際に発生します。事象が発生すると、後続のリクエストに影響があり、以降、リクエストが受け付けることができない状態となります。
本問題が発生しているかどうかの確認が必要となった際には、お手数ですが、次の設定を行った上で問題となったリクエストを実行して事象を再現していただき、採取したiiopbase.logを開発元に送付してください。
[iiopbase.logの採取]
iiopbase.logの採取設定:
otxadmin set -u (ユーザ名) -w (パスワード) --port (ポート番号) tpsystem.IIOPListener.collectIiopManagementLog=true
TPシステムの停止:
otxadmin stop-system -u (ユーザ名) -w (パスワード) --port (ポート番号)
TPシステムの起動:
otxadmin start-system -u (ユーザ名) -w (パスワード) --port (ポート番号)
[iiopbase.logの出力先]
${INSTANCE_ROOT}/logs/tpsystem/iiopbase.log
ログ採取後は、次の手順で設定を戻してください。
otxadmin set -u (ユーザ名) -w (パスワード) --port (ポート番号) tpsystem.IIOPListener.collectIiopManagementLog=false
TPシステムの停止:
otxadmin stop-system -u (ユーザ名) -w (パスワード) --port (ポート番号)
TPシステムの起動:
otxadmin start-system -u (ユーザ名) -w (パスワード) --port (ポート番号)
対処方法
一時的な復旧方法としては、下記[TPシステムの再起動方法(一時的な復旧方法)]を実施してください。
その場合、4KB程度以上のサービスコンテキストを含むリクエストを再度受信した場合にまた同事象が発生する可能性がございます。
V12.1に関しては2025年度上期中にパッチを公開予定です。
その他については、パッチの公開時期を検討中です。急ぎでパッチが必要な場合はご連絡ください。
(注意) パッチモジュールは製品保守契約を結んでいただいたお客様に限定して提供させていただいています。
まだ契約がお済みでないお客様は、保守契約締結の後、ダウンロードをお願いいたします。
[TPシステムの再起動方法(一時的な復旧方法)]
TPシステムの停止:
otxadmin stop-system -u (ユーザ名) -w (パスワード) --port (ポート番号)
TPシステムの起動:
otxadmin start-system -u (ユーザ名) -w (パスワード) --port (ポート番号)
回避方法
IIOP リスナが異常終了した際に自動で再起動復旧する設定とすることにより回避してください。
[IIOPリスナの再起動設定方法]
1.WebOTXを停止してから、次のファイルをエディタで開きます。
<WebOTXインストールディレクトリ>/domains/domain名/config/tpsystem/iioplsn.ped
2.例に示すようにiioplsn.pedファイルに
“MAXSTARTTRIES”と“TRIESRESET”の行を追加します。
例)
CLASS IIOPLSN_CLS
PATH %AS_INSTALL%/Trnsv/bin/iioplsn
ARGS PLUNAME (5151) DATA_INPUT_WATCHT ...
MAXSTARTTRIES 5
TRIESRESET 3600
補足事項
・MAXSTARTTRIESに指定する値はIIOPリスナの起動回数になります。
5を指定するとIIOPリスナ異常終了時に最大で4回起動を試行します。
・TRIESRESETに指定する値は秒数になります。指定時間IIOPリスナが異常終了
しなければプロセスのリトライカウントをリセットします。
3.ファイルを上書き保存し、エディタを終了します。
4.設定を有効にするには、WebOTXを再起動します。
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