バックアップ先としてディスクを使用する場合、高度なファイルタイプデバイス(adv_file、バージョン7.1から使用可能)とファイルタイプデバイス(file)の2種類の設定が用意されており、どちらかを選択します。
fileタイプは古い方式であり、通常は高度な運用ができるadv_file方式を推奨しています。
また、ブロックサイズが変更できるのもadv_file方式のみとなります。
■NetWorkerのデフォルトブロックサイズ
NetWorkerでディスクデバイスにバックアップする際のブロックサイズ(データの書き込みサイズ)は以下のようになっています。
メディアタイプ |
ブロックサイズ |
adv_file |
128KB |
file |
32KB |
|
※KB=1024バイトです。
※クライアントダイレクトが有効な場合の書き込みサイズは 512KB 固定となります。
NetWorkerではブロックサイズが決まるとバッファサイズも決まります。
ここでバッファサイズとはバックアップのためにディスクから読み込んだデータをボリュームに書き込むまでに一時的においておくメモリ領域です。 NetWorkerでは、メディアタイプが adv_file の場合はブロックサイズの4倍。 file の場合はブロックサイズと同じサイズになります。
よって、バックアップ時には自動的に adv_file では512KB、 file では32KBがバッファ領域として確保されます。
上述のようにadv_fileについてはブロックサイズを変更することが可能です。値は32の倍数のみ指定できます。
バージョン7.6.2は最大ブロックサイズが256KBとなっています。7.5.xまではNetWorkerとしてのブロックサイズの上限はありません。OS以下のシステムに依存します。
■ブロックサイズの変更方法
変更方法は、GUIから行うものとNetWorkerの起動スクリプトに設定を行う2通りがあります。
ここでは256KBに変更することを想定して解説します。
GUIから行う場合
- 7.5.1以降での手順
- NetWorkerのコンソールより、NetWorker管理者画面を起動してください。
- デバイスアイコンをクリックします。
- 「表示」→「診断モード」を選択してください。
- ツリーよりデバイスを選択し、デバイス一覧を表示してください。
- 変更するデバイスを選択し、右クリックでプロパティを表示してください。
- 「詳細」のタブの「デバイスのブロック・サイズ」がブロックサイズの設定をする属性になります。
"handler default"はNetWorkerが各デバイスタイプ毎に持っているデフォルト値になります。
これを 256KB に変更してください。
- ボリュームのラベル付けを行う。ラベル付けを行ったボリュームは以降指定したブロックサイズとなり、
指定したブロックサイズでバックアップされます。
ラベル付けされたボリュームに設定されているブロックサイズは、そのボリュームをマウントした後に、
デバイスのプロパティで「ボリューム」タブの「ボリュームブロックサイズ」に表示されます。
- 6.1.1~7.2.1の手順
- 「nwadmin」管理者画面を開いてください。
- 「メディア」→「デバイス」を選択し、「デバイスウィンドウ」を表示してください。
- 「表示」→「詳細」を選択し、「詳細モード」に設定してください。
- 設定変更をする集合装置のデバイスを選択してください
- 右端のスクロールバーから、下へのスクロールを行い、
「デバイスのブロックサイズ」がブロックサイズの設定をする属性になります。
- 「デバイスのブロックサイズ」属性の値を handler default から 256KB に変更してください。
- 「適用」を選択してください。
- 存在するデバイス分だけ、4.→7.を繰り返してください。
- ボリュームのラベル付けをしてください。ラベル付けを行ったボリュームは以降指定したブロックサイズとなり、
指定したブロックサイズでバックアップされます。
環境変数を設定する場合
以下の作業を対象デバイスの存在するホストで行ってください。
- Unixでの手順
- NetWorkerデーモンを停止します。
- NetWorkerのrcファイル(HP-UX:/sbin/init.d/networker、Solaris:/etc/init.d/networker)に環境変数を記述します。
例)
NSR_DEV_BLOCK_SIZE_ADV_FILE=256
export NSR_DEV_BLOCK_SIZE_ADV_FILE
|
単位はKB(=キロバイト)です。
- NetWorkerデーモンを起動します。
- ボリュームにラベル付けを行います。
ラベル付けを行ったボリュームは以降指定したブロックサイズとなり、指定したブロックサイズでバックアップされます。
- Windowsでの手順
- システムのプロパティを開きます。
- 詳細設定タブの「環境変数」をクリックします。
- システム環境変数の「新規」をクリックします。
- 変数名および変数値(単位はKB)を入力します。
変数名はUNIXでの手順と同様です。
- 「OK」をクリックし環境変数の設定を終了します。
- サービスウィンドウを開きます。
- 「NetWorker Remote Exec Service」を再起動します。
- テープにラベル付けを行います。
ラベル付けを行った媒体は以降指定したブロックサイズの媒体となり、指定したブロックサイズでバックアップされます。