NetWorkerのコマンドでバックアップを実行する方法は、NetWorker 9.1.1 以降と 8.2.x 以前で異なりますので、ご利用のバージョンによって以下のいずれかを選択して参照ください。
NetWorker 9.1.1 以降の場合
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9.1.1 以降のバージョンの場合、8.2.x 以前の savegrp とは異なり、各バックアップの最後にNetWorkerサーバのデータベースおよび設定情報(indexとbootstrap)は自動でバックアップされません。
bootstrap および index のバックアップのタイミングにつきましては、別途インストール後に自動作成されているワークフロー「server backup」にてご設定ください。(デフォルトでは毎日午前10時に自動実行)
NetWorkerのコマンドでバックアップを実行する方法は以下の3通りです。
- nsrworkflow によるバックアップ
nsrworkflow は最も一般的な方法で実際のスケジュールバックアップでもnsrworkflowが実行されています。
通常は nsrworkflow の使用をご検討ください。
nsrworkflow はNetWorkerサーバ上で実行します。
- ※
管理者権限を持つユーザ(Windows)かrootユーザ(Linux)のみ実行可能なコマンドです。
以下は最も代表的なコマンドラインです。GUIで設定済のワークフローを指定して実行します。
(nsrworkflow コマンドのパスは Linux の場合。)
/usr/sbin/nsrworkflow -p ポリシー名 -w ワークフロー名 |
- nsrpolicy によるバックアップ
nsrworkflow 以外でワークフローを実行するコマンドでは nsrpolicy がございます。
nsrworkflow は 管理者権限を持つユーザ(Windows)かrootユーザ(Linux)での実行が必要ですが、nsrpolicy であれば administrator や root 以外のユーザでも実行可能です。
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一般ユーザ(管理者権限を持つユーザ(Windows)でもroot(Linux)でもないユーザ)にて実行する場合は、nsrpolicy コマンド実行前にあらかじめ nsrlogin -u administrator コマンドを実行する必要がございます。
nsrlogin コマンドの詳細については、コマンドリファレンスガイドをご参照ください。
ただし、nsrworkflow はバックアップ処理の終了を待ってコマンドが終了するのに対し、
nsrpolicy はワークフローを開始した後、バックアップの終了を待たずにコマンドが終了します。
その為、nsrpolicy はバックアップ終了後に直列で実行する処理を構成する場合(ジョブ管理ソフトやスクリプト等)には不向きです。
以下は最も代表的なコマンドラインです。GUIで設定済のワークフローを指定して実行します。
(nsrpolicy コマンドのパスは Linux の場合。)
/usr/sbin/nsrpolicy start -p ポリシー名 -w ワークフロー名 |
- save によるバックアップ
特殊な方法として、saveコマンドがあります。
こちらはグループ名ではなくバックアップしたいファイルやディレクトリそのものを直接指定してバックアップします。 ある条件を満たしたときにバックアップを行いたい、などどうしても変則的なバックアップを行わざるを得ない場合に使用します。
saveはバックアップ対象のクライアント上で実行します。
以下は最も代表的なコマンドラインで、バックアップしたいファイルまたはディレクトリを指定して実行します。
(saveコマンドのパスはLinuxの場合。)
/usr/bin/save ファイル名またはディレクトリ名 |
各コマンドの戻り値は以下の通りです。
0:正常終了
0以外:異常終了
異常終了の場合、戻り値でどんなエラーが発生したか確認するという事はできません。
そこで、戻り値が0以外であった場合NetWorkerのdaemon.raw(daemon.log)やmessages.log、
コマンドがコンソールに出力したメッセージを確認してどんなエラーが発生したのか確認
する、というのが一般的です。
nsrworkflow、nsrpolicy、saveともに非常に多くのオプションがありますので詳細はコマンドリファレンスガイド、manページをご確認ください。
NetWorker 8.2.x 以前の場合
NetWorkerのコマンドでバックアップを実行する方法は以下の2通りです。
- savegrp によるバックアップ
savegrpは最も一般的な方法で実際のスケジュールバックアップでもsavegrpが実行されています。
通常はsavegrpの使用をご検討ください。
savegrpはNetWorkerサーバ上で実行します。
savegrpであればバックアップの最後にNetWorkerサーバのデータベースおよび設定情報(indexとbootstrap)もバックアップするため、
万一NetWorkerサーバに障害が発生した場合でもindexとbootstrapからNetWorkerのデータベースや設定を復旧することができます。
以下は最も代表的なコマンドラインでGUIで設定済のグループ名を指定して実行します。
(savegrpコマンドのパスはHP-UXの場合。)
/opt/networker/bin/savegrp グループ名 |
- save によるバックアップ
特殊な方法として、saveコマンドがあります。
こちらはグループ名ではなくバックアップしたいファイルやディレクトリそのものを直接指定してバックアップします。 ある条件を満たしたときにバックアップを行いたい、などどうしても変則的なバックアップを行わざるを得ない場合に使用します。
ただし、indexとbootstrapのバックアップは行なわれません。
saveはバックアップ対象のクライアント上で実行します。
以下は最も代表的なコマンドラインで、バックアップしたいファイルまたはディレクトリを指定して実行します。
(saveコマンドのパスはHP-UXの場合。)
/opt/networker/bin/save ファイル名またはディレクトリ名 |
戻り値は以下の通りです。
0:正常終了
0以外:異常終了
異常終了の場合、戻り値でどんなエラーが発生したか確認するという事はできません。
そこで、戻り値が0以外であった場合NetWorkerのdaemon.raw(daemon.log)やmessages、
コマンドがコンソールに出力したメッセージを確認してどんなエラーが発生したのか確認
する、というのが一般的です。
savegrp、saveともに非常に多くのオプションがありますので詳細はmanページをご確認ください。