Red Hat Enterprise Linux 7 を使用している環境で、以下のようなメッセージがsyslog に1分間隔で記録されます。NEC Storage Manager Agent Utility および iStorage ControlCommand の動作に起因して、該当のメッセージが出力されることはありますか?
systemd: Device xxx.device appeared twice with different sysfs paths xxx and xxx
後述の<対象環境>に該当する環境に、NEC Storage Manager Agent Utility (以降、AgentUtilityと表記) または iStorage ControlCommand (以降、ControlCommandと表記) を導入している場合、該当メッセージが 1 分ごとに出力されることがあります。
これは、AgentUtility および ControlCommand に含まれる、iSM ホスト情報登録エージェント (iSMHostRegisterService) の動作に誘引されるもので、iSM ホスト情報登録エージェントは 1 分周期で動作する仕様であるため、1 分ごとに該当メッセージが出力されることになります。
なお、該当メッセージはOS のsystemd の動作が特定バージョンから変更されたために出力されており、マルチパス環境では一般的に出力され得るメッセージです。何らかの問題を示すものではありません。
本件は V9.4 のAgentUtility およびControlCommand で改善を予定していますが、V9.3 までのAgentUtility または ControlCommand を使用している場合でも、後述する<運用による回避策>により、通常運用中に 1 分ごとに該当メッセージが出力される事象は抑制することができます。
<対象環境>
以下の条件をすべて満たす環境が対象環境です。
- Red Hat Enterprise Linux 7 を使用している
- systemd-219-19.el7 以降のsystemd パッケージがOS に導入されている
- OS 標準のマルチパスソフトウェア(dm-multipath) を使用している
<運用による回避策>
iSM ホスト情報登録エージェントはストレージ制御ソフトの無停止アップデート/ロールバックを支援するためのサービスであり、無停止アップデート/ロールバック時にのみ起動していれば通常の運用に影響はありません。
そのため、以降に記載するように、通常はiSM ホスト情報登録エージェントを停止しておき、ストレージ制御ソフトの無停止アップデート/ロールバック時に個別にiSM ホスト情報登録エージェントを起動する手順としてください。
◎ AgentUtility / ControlCommand のインストール時
<対象環境>に該当するLinux 業務サーバにAgentUtility または ControlCommand をインストールした場合、iSM ホスト情報登録エージェントを停止し、自動起動を無効化してください。具体的な手順は以下のとおりです。
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iSM ホスト情報登録エージェントの状態を確認します。
# /sbin/service iSMHostRegisterService status
<サービスが停止している場合の出力例>
iSMHostRegisterService is unused
<サービスが起動している場合の出力例>
iSMHostRegisterService is running
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手順.1 でiSM ホスト情報登録エージェントが起動していた場合、本サービスを停止します。
# /sbin/service iSMHostRegisterService stop
Stopping iSMHostRegisterService (via systemctl): [ OK ]
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iSM ホスト情報登録エージェントの自動起動を無効化してください。
# /sbin/chkconfig iSMHostRegisterService off
◎ ストレージ制御ソフトの無停止アップデート/ロールバック実施時
ストレージ制御ソフトの無停止アップデート/ロールバックを実施する前に、<対象環境>に該当するLinux 業務サーバで、iSM ホスト情報登録エージェントを起動し、無停止アップデート/ロールバック作業が完了しましたら、再度停止してください。
具体的な手順は以下の通りです。
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ストレージ制御ソフトの無停止アップデート/ロールバックを実施する前にストレージに接続しているLinux 業務サーバでiSM ホスト情報登録エージェントを起動します。
# /sbin/service iSMHostRegisterService start
Starting iSMHostRegisterService (via systemctl): [ OK ]
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ストレージ制御ソフト アップデートガイドにしたがって、ストレージ制御ソフトのアップデート/ロールバックを実施します。
なお、アップデート/ロールバック中はLinux 業務サーバにて、質問事項に記載のメッセージがsyslog に記録されることがありますが、動作に支障はありませんので、無視して構いません。
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ストレージ制御ソフトの無停止アップデート/ロールバックが完了しましたら、Linux 業務サーバで、手順.1 で起動したiSM ホスト情報登録エージェントを再び停止します。
# /sbin/service iSMHostRegisterService stop
Stopping iSMHostRegisterService (via systemctl): [ OK ]