Express5800シリーズおよびiStorage NSシリーズのサーバでは、マザーボードに標準実装しているBMC(Baseboad Management Controller)とOSの常駐サービスとして動作するESMPRO/ServerAgentServiceがサーバを監視しており、異常あるいはその兆候を検出するとアラート通報を送信することができます。
BMCは、CPU、メモリ、ファンなどの各種ハードウェアの監視を担当し、異常あるいはその兆候を検出すると、SNMP TrapによってESMPRO/ServerManagerに通報したり、SMTPによってシステム管理者に通報したりすることができます。
ESMPRO/ServerAgentServiceは、CPU、メモリ、ファイルシステムの使用率の監視、システムログの監視、ハードウェアの監視といったサーバシステム全体の監視を担当しています。以降、これらの監視機能とその通報機能について紹介いたします。
まず、CPU、メモリ、ファイルシステムの使用率の監視では、あらかじめ設定されているしきい値による状態監視(正常/警告/異常)をおこなっており、状態がかわったときにCIM IndicationによってESMPRO/ServerManagerに通報することができます。
つぎに、システムログの監視では、他のシステム管理ソフトなどがOSのシステムログに登録するイベントを通報対象とすることができ、そのイベントがシステムログに登録されるとSNMP TrapあるいはオリジナルTCP/IP手順によってESMPRO/ServerManagerに通報することができます。ちなみに、RAID システム管理ユーティリティ RAID通報サービスやUniversal RAID Utilityのアラート通報はこの通報機能によって実現しています。
さいごに、ハードウェアの監視では、前述のBMCを介してハードウェアの異常あるいはその兆候を検出しています。異常系のイベントを検出するとOSのシステムログにその内容を登録しますが、アラート通報はおこないません。ハードウェアに関するアラート通報はBMCが担当しています。
なお、従来のESMPRO/ServerAgentが動作するサーバのアラート通報機能との違いは以下のとおりです。
- CPU、メモリ、ファイルシステムの使用率に関するアラート通報を送信するとき、使用している通信プロトコルが異なります。
ESMPRO/ServerAgentServiceがCIM Indicationを使用するのに対して、ESMPRO/ServerAgentはSNMP TrapあるいはオリジナルTCP/IP手順を使用しています。
- ハードウェアに関するアラート通報を送信するとき、通報する製品が異なります。
ESMPRO/ServerAgentServiceが動作するExpressサーバではBMCが通報しますが、ESMPRO/ServerAgentが動作するサーバではESMPRO/ServerAgentが通報し、ESMPRO/ServerAgentが動作していないときにかぎってBMCが通報します。
※ | Express5800シリーズおよびiStorage NSシリーズが実装しているBMCには、EXPRESSSCOPEエンジン3、iLO5、iLO6、T110jやD120hなどの新BMCがありますが、ここで案内している内容はこれらBMCを実装したサーバにおける共通情報です。 |