1台のデバイスで書き込みエラーが発生しているか、複数デバイスで読み取りエラーが発生しています。前者は保守サービス会社に故障デバイスの交換を依頼してください。後者はディスクアレイの再構築が必要です。
冗長構成のディスクアレイにおいてデバイスに不良セクタが見つかると、他のデバイスの該当セクタから不良セクタにあったデータを復元し、復元したデータは代替セクタ領域に書き込まれます。以降は、不良セクタの代わりに代替セクタのデータが使用されます。このとき、Universal RAID Utilityはシステムログに「<RU0319> 物理デバイスでメディアエラーを検出、修復しました。 」を登録します。
しかしながら、この処理が正常に完了できず不良セクタのリカバリができないと、Universal RAID Utilityはシステムログに「<RU0320> 物理デバイスでメディアエラーを検出しましたが、修復できませんでした。」を登録します。こちらが1台のデバイスで書き込みエラーが発生しているケースです。

Universal RAID Utilityがシステムログに、以下の様に複数のデバイスの同じセクタについて「<RU0320> 物理デバイスでメディアエラーを検出しましたが、修復できませんでした。」を登録することがあります。このとき、リビルド中に既存デバイスに不良セクタが検出されたか、同時に複数のデバイスの同じセクタで不良が検出されています。こちらが複数デバイスで読み取りエラーが発生しているケースです。
- <RU0320> [CTRL:1 PD:e134s0] 物理デバイスでメディアエラーを検出しましたが、修復できませんでした。詳細 : LBA=0x000000000cdb31d6
- <RU0320> [CTRL:1 PD:e134s1] 物理デバイスでメディアエラーを検出しましたが、修復できませんでした。詳細 : LBA=0x000000000cdb31d6
| CTRL:1 PD:e134s0 | ・・・ | RAIDコントローラ「1」に接続したエンクロージャ「134」のスロット「0」のデバイス |
CTRL:1 PD:e134s1 | ・・・ | RAIDコントローラ「1」に接続したエンクロージャ「134」のスロット「1」のデバイス |
LBA=0x000000000cdb31d6 | ・・・ | Logical Block Addressing、すべてのセクタに通し番号をつけて先頭からのセクタ数によってセクタの位置を示すもの |
以降、ディスクアレイのリビルド中に既存デバイスに不良セクタが検出されたときの動作を紹介します。
ディスクアレイのリビルドでは既存デバイスの該当セクタから交換前のデバイスにあったデータを復元して、交換したデバイスに書き込んでいます(下図①②)。既存デバイスに不良セクタが検出されるとデータを復元することができず、該当セクタは不良セクタとして管理されます(下図③④)。該当セクタを使っていたファイルは使用できなくなります。

ディスクアレイのリビルド中に既存デバイスに不良セクタが検出され、交換したデバイスも不良セクタとして管理された場合、ディスクアレイを再構築することによって交換したデバイスの不良セクタが解消され、各デバイスの該当セクタが使用できるようになります。
