ftサーバLinuxモデルでは、全ての内蔵ハードディスクはパーティション単位で二重化(ミラーリング)を行うように構成されています。(二つのメンバデバイスで構成されています。)
ディスク故障や片系での動作検証を行った場合等で、メンバデバイスの内容がそれぞれ別々に更新されたような場合には更新内容に不一致が生じる(ミラー不整合が発生する)ことがあります。
ミラー不整合が発生していると、両系動作に戻した後でも自動的には復旧されません。復旧するためには、rootユーザにて、以下の手順を実行してください。
二重化状況は環境によって異なりますので、下記例のデバイス名はお客様の環境に合わせて適宜読み替えてください。
(1) ftdiskadmコマンドを実行し、二重化の状況を確認してください。
# ftdiskadm
Command action
1 List RAID Arrays
2 List Internal Disks
3 Make Mirroring Arrays (RAID1)
4 Repair Mirroring Arrays (RAID1)
5 Delete Mirroring Arrays (RAID1)
6 Remove Disk Partitions (RAID1)
7 Make Striping Array (RAID1+0)
8 Delete Striping Array (RAID1+0)
c Configurations
q Quit
Command: 1
[List RAID Arrays]
Name Partition Status Member
===============================================================================
< Mirroring Array (RAID1) >
md122 /var/crash SIMPLEX(PENDING) (9)114001-part1
md123 /boot/efi SIMPLEX(PENDING) (9)114001-part4
md124 /home SIMPLEX(PENDING) (9)114001-part6
md125 / SIMPLEX(PENDING) (1)104001-part5
md126 swap DUPLEX (1)104001-part2 (9)114001-part2
md127 /boot SIMPLEX(PENDING) (1)104001-part3
Status欄が「DUPLEX」になっているデバイスについては、修復する必要はありません。
Status欄が「SIMPLEX(PENDING)」になっているデバイスでは、ミラー不整合が発生しています。
手順(2)以降を実施して、修復(二重化復旧)を行ってください。
※上記の例の場合、md122のMemberには(9)114001-part1のみが表示されていますので、
その対となる(1)104001-part1が修復対象になります。
※上記の例の場合、両側のディスクに修復対象となるパーティションがあるため、
ディスク交換を行わないでください。交換を行うと、システムが継続動作できなくなります。
※ミラー不整合が発生している場合は、修復対象であるパーティション内にのみ更新された情報が
含まれている可能性があります。これらの情報は、二重化復旧により同期元のパーティションの
内容で更新されてしまいます。残しておきたい情報がある場合は、二重化復旧を行う前に
バックアップの採取を行い、二重化復旧後に反映することなどをご検討ください。
※修復する対象となる Slot番号 については下表を参考にしてください。
ハードウェアのスロット番号 |
CPU/IOモジュール 0 |
CPU/IOモジュール 1 |
スロット 0 | (1)104001 |  (9)114001 |
スロット 1 | (2)104002 | (10)114002 |
スロット 2 | (3)104003 | (11)114003 |
スロット 3 | (4)104004 | (12)114004 |
スロット 4 | (5)104005 | (13)114005 |
スロット 5 | (6)104006 | (14)114006 |
スロット 6 | (7)104007 | (15)114007 |
スロット 7 | (8)104008 | (16)114008 |
以降の手順では、この状況を想定した復旧手順を記載します。
お客様の環境に合わせて、適宜読み替えて実行してください。
Status欄が「RECOVERY」「RESYNC」「REPAIR」「CHECK」になっているデバイスは現在修復実行中
の状態になりますので、それらが完了して「DUPLEX」になるまでしばらくお待ちください。
(2) ftdiskadmのメニュー 「4 Repair Mirroring Arrays (RAID1)」を実行し、
修復する HDD の Slot番号 '1' を指定してください。
Slot番号 '1' のHDDの復旧が開始されます。
Status欄が "RESYNC" となっているデバイスは修復実行待ち、"RECOVERY(XX%)" となっているデバイスは
修復実行中であることを示します。これらのデバイスの修復が完了して、Status欄が "DUPLEX" に
なるまで待ちます。
実行中の状況は、「1 List RAID Arrays」メニューで適宜確認できます。
Name Partition Status Member
===============================================================================
< Mirroring Array (RAID1) >
md121 /var/crash RECOVERY(37.8%)) (1)104001-part1 (9)114001-part1
md122 /boot/efi RESYNC (1)104001-part4 (9)114001-part4
md123 /tmp/xfs RESYNC (1)104001-part6 (9)114001-part6
md124 /home RESYNC (1)104001-part7 (9)114001-part7
md125 / SIMPLEX(PENDING) (1)104001-part5
md126 swap DUPLEX (1)104001-part2 (9)114001-part2
md127 /boot SIMPLEX(PENDING) (1)104001-part3
Slot番号 '1' のHDDの修復完了後は、以下のように表示されます。
Name Partition Status Member
===============================================================================
< Mirroring Array (RAID1) >
md121 /var/crash DUPLEX (1)104001-part1 (9)114001-part1
md122 /boot/efi DUPLEX (1)104001-part4 (9)114001-part4
md123 /tmp/xfs DUPLEX (1)104001-part6 (9)114001-part6
md124 /home DUPLEX (1)104001-part7 (9)114001-part7
md125 / SIMPLEX(PENDING) (1)104001-part5
md126 swap DUPLEX (1)104001-part2 (9)114001-part2
md127 /boot SIMPLEX(PENDING) (1)104001-part3
(3) ftdiskadmのメニュー 「4 Repair Mirroring Arrays (RAID1)」を実行し、
修復する HDD の Slot番号 '9' を指定して修復します。
(4) ftdiskadmコマンドを実行し、ミラーリングの状況を確認してください。
Status欄が「RESYNC」「RECOVERY」のいずれかであるデバイスがある場合は復旧処理実行中です。
このまま全てのStatus欄が「DUPLEX」になるまでしばらくお待ちください。
Name Partition Status Member
===============================================================================
< Mirroring Array (RAID1) >
md121 /var/crash DUPLEX (1)104001-part1 (9)114001-part1
md122 /boot/efi DUPLEX (1)104001-part4 (9)114001-part4
md123 /tmp/xfs DUPLEX (1)104001-part6 (9)114001-part6
md124 /home DUPLEX (1)104001-part7 (9)114001-part7
md125 / DUPLEX (1)104001-part5 (9)114001-part5
md126 swap DUPLEX (1)104001-part2 (9)114001-part2
md127 /boot DUPLEX (1)104001-part3 (9)114001-part3
(5) Slot番号 1,9以外にもミラー不正具が発生しているディスクがある場合は、
それらのディスクについても上記の手順(2),(3)を実行してください。
実行の際にはSlot番号はそれぞれ読み替えてください。(2.と10.、3.と11.など)
(6) ftdiskadmのメニュー 「q Quit」を選択して、ftdiskadmコマンドを終了してください。
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