R16.1以前のバージョンのJobCenterでは、NQS(Network Queuing System)と呼ばれる標準化されたジョブ実行方式を利用していました。R16.2からはジョブ実行モードによって下記のように変わります。
- スタンダードモードでは、NQSとは異なる独自のジョブ実行方式に変わります。そのため、R16.1以前のバージョンとは連携できません
- クラシックモードでは、R16.1以前と同じくNQSを利用します。そのため、R16.1以前のバージョンと連携できます
この変更により、下記の表のような差異ができます。
項番 |
比較観点 |
ジョブ実行モード(※1) |
備考 |
STD |
CLS |
1 |
通信の暗号化可否 |
○可 |
△不可 |
CLSでは、インターネット経由の通信は盗聴のリスク有。ただし、STDの場合でもjnwevtcmdコマンドの通信は暗号化不可 |
2 |
通信についての制約 |
○少 |
△多 |
CLSでは、名前解決の正引き/逆引きが可能であることなど制約が多い。 |
3 |
R16.2以降の機能強化方針 |
○積極的 |
△消極的 |
STDを中心に機能強化を推進する方針 |
4 |
R16.1以前からの移行コスト |
△大 |
○小 |
STDでは、一部情報の移行作業が必要 |
5 |
R16.1以前との機能差異 |
△有 |
○無 |
STDでは、R16.1以前のバージョンの機能の一部が利用不可。具体的な情報は、リリースメモを参照 |
※1 STD=スタンダードモード、CLS=クラシックモード、○=優位、△=劣位
以上のことから、どちらのジョブ実行モードを選択するかの判断には下記を参考にしてください。
重視する要件 |
推奨モード |
通信の機密性 |
上記項番1により、スタンダードモードを推奨 |
R16.1以前からの互換性(※2) |
上記項番4,5により、クラシックモードを推奨 |
特段の要件はない |
上記項番1,2,3により、スタンダードモードを推奨 |
※2 R16.1以前のJobCenterで運用中のシステムがあり、バージョンアップ後もその資産を継承したい場合など