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■注意事項
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【1】本修正物件の適用作業について
ストレージ制御ソフト及びBMCFWの修正物件の適用作業は、基本的にはお客様による
実施をお願いしております。本コンテンツ内のアップデートガイドの内容に従って、
修正物件の適用作業実施をお願い申し上げます。
【2】無停止アップデートに関する注意点
◆接続ホストからのI/O負荷に関する注意事項
無停止アップデートは、接続ホストからのI/O を一方のコントローラに
片寄せしながらアップデートします。このため、接続ホストからのI/O 負荷
が高い状態で無停止アップデートすると、ひとつのコントローラに負荷が集中
し、I/Oの応答性能が低下する可能性があります。また、アップデート
コマンドの応答がなくなりアップデートが継続できなくなる可能性があります。
無停止アップデートを行う場合は、極力負荷が低い状態(※1)で実施すること
を強く推奨します。
(※1)負荷が低い状態
通常の半分程度の負荷状態でアップデートを実施してください。
WebSAM Storage PerforMate を購入している場合は、ホストディレクタの
BUSY 率により負荷状態の確認が可能です(※2)。
目安として二つのコントローラのBUSY率の合計が80%を超えない状態で
アップデートを実施してください。
(※2)ホストディレクタのBUSY 率は、WebSAM Storage PerforMate の統計情報編集
ツール(iSMprfedit コマンド)における「ホストディレクタ詳細レポート」、
または WebSAM Storage PerforNavi で参照することが可能です。
◆お客様の環境に関する注意事項
以下の1)~2)の条件を全て満たす場合に、業務を停止することなくストレー
ジ制御ソフトのアップデート(無停止アップデート)をすることが可能です。
1) 全ての業務サーバにマルチパスソフトウェアがインストールされ、
ディスクアレイとの間のI/O パスが冗長構成であること (*1)
2) 全ての業務サーバが、以下のa)~b)いずれかの条件を満たしていること
(*2,*3,*4)
a) OSがWindows、Linux、HP-UX(*5)、Solaris(*6)のいずれかであり、
NEC Storage Manager Agent Utilityが導入されていること
b) OSがVMwareであり、SPS for VMwareまたは、VMware環境向け無停止アップ
デートツール(prevent_hd.pl)が導入されていること
ただし、上記の条件を満たしている場合でも、以下の点には注意してください。
(*1)無停止アップデートに対応しているマルチパスソフトウェアは下記の
通りです。
Windows:SPS for Windows 5.0 以降、またはMultipath I/O (MPIO)
Linux:SPS 5.0 for Linux 以降、またはDevice Mapper Multipath
(OS標準のマルチパスソフト)
HP-UX:HP-UX 11i v3のネイティブマルチパス
Solaris:Solaris 10/11のSolaris I/O マルチパス(MPxIO)、または
VERITAS Storage Foundation 5.1/6.0 for Solaris
VMware:SPS for VMware 1.0 以降、またはVMware 標準マルチパス
(*2)業務サーバが仮想化されている環境で無停止アップデートを行うためには、
ホストOSにマルチパスソフトウェアがインストールされている必要が
あります。例外として、Hyper-V環境ではゲストOSにマルチパスソフト
ウェアをインストールした環境で無停止アップデート可能な構成があ
ります。詳細はアップデートガイドの「表4 ゲストOSにマルチパス
ソフトウェアをインストールした状態で無停止アップデート可能な構成」を
ご参照ください。
(*3)接続ホストがWindows Server 2003の場合に、WMIが正しく動作していない
と無停止アップデートのパスの片寄せがタイムアウトのエラーとなり、
パスの片寄せが正しく行われたか、手動で確認する必要があります。
この場合、片寄せが正しく行われていれば、無停止アップデートを行う
ことはできますが、WMIを復旧するまで、パスの片寄せのたびにタイム
アウトのエラーとなり、WMIの復旧時に当該接続ホストの再起動(業務の
停止)が必要となります。
(*4)接続ホストがVMwareの場合、以下の条件を全て満たす場合は無停止アップ
デートできません。
- 現在のストレージ制御ソフトのリビジョンが074Sより前の場合
- ESXホストのバージョンが5.0以降
(*5)OSがHP-UXの場合、iStorage基本制御の媒体バージョンVer7.2.007以上、
iStorage ControlCommandの媒体バージョンVer7.2.010以上に格納されている、
NEC Storage Manager Agent Utilityが必要です。本修正物件の適用前に
バージョンアップする必要があります。
(*6)OSがSolarisの場合、iStorage基本制御 Ver7.4以上の媒体、
iStorage ControlCommand Ver7.4以上の媒体に格納されている、
NEC Storage Manager Agent Utilityが必要です。本修正物件の適用前に
バージョンアップする必要があります。
(*5)、(*6)において、バージョンアップの際、以下のオプションソフトウェア
をご利用の場合は、同時にバージョンアップが必要です。
- iStorage基本制御
- iStorage ControlCommand
- WebSAM Storage PerforMate Suite
- WebSAM Storage PerforNavi
- WebSAM Storage RepNavi Suite
- iStorage ReplicationControl FileSystem Option (Linux 版)
◇バージョンアップについて
・PP・サポートサービスをご契約されているお客様
下記「バージョンアップのお申し込みについて」をご確認の上、
バージョンアップ媒体をお申込みください。
・PP・サポートサービスをご契約されていないお客様
下記へ問い合わせてください。件名のコンテンツID:xxxxxxxxxxに
NECサポートポータルのコンテンツIDを記入してください。ご使用の
装置とiStorage基本制御またはiStorage ControlCommandの媒体バー
ジョンをお知らせください。
契約、サービスに関するお問い合わせ
https://www.support.nec.co.jp/PSSupportAsk.aspx
お問い合わせ分類:
その他
件名:
NECサポートポータルコンテンツに関する問い合わせ
(コンテンツID:xxxxxxxxxx)
本文:
***版のNEC Storage Manager Agent Utilityのバージョンアップを
要求します。
使用装置:
使用しているiStorage基本制御またはiStorage ControlCommandの
媒体バージョン:
***:(*5)の場合はHP-UXが、(*6)の場合はSolarisが入ります。
【3】 適用時の依頼/注意事項(ディスクアレイ装置への接続・ログインについて)
ディスクアレイ装置に、telnetやssh、ftp等で接続してログインする場合は、
フローティングIPを指定して接続することを強く推奨します。
フローティングIPを使用しない(コントローラのLANポートのIPアドレスを
直接指定する)場合は、以下のとおり確認し、必ず、アクティブ側のコント
ローラのIPアドレスを指定して接続してください。誤ってスタンバイ側の
コントローラのIPアドレスを指定して接続した場合、アップデート作業中に
意図せず接続(ログイン)が切断されるなどの異常が発生する場合があります
ので、ご注意ください。
確認方法:
telnet、またはsshを接続しログインした際のコマンドプロンプトの
末尾にコントローラの番号が表示されますので、接続したコントローラの
番号と一致しているか確認します。一致していない場合は、一旦、切断し、
指定しているIPアドレスを見直して再接続、再確認してください。
例:sysadmin@CNT-1#
この例では、アクティブ側のコントローラが1側であることを示します。
【4】 適用時の依頼/注意事項(RemoteDataReplication利用時のみ)
RemoteDataReplication(RDR)ペアが設定されているディスクアレイ
をアップデートする場合、アップデート前にRDRペアをセパレート
完了状態にしてください。また、レプリケート運用を行っている
場合は、アップデート完了後にレプリケートを実施してください。
【5】 適用時の依頼/注意事項(サーバのOSにSolarisを利用している時のみ)
DMPの動作仕様により、NEC Storage Manager Agent Utilityと連携したパスの
片寄せはできません。
DMP環境の無停止アップデートは、以下に注意してください。
・各サーバにログインして、パスが冗長構成であることを事前に確認してください。
・事前のパス片寄せは行いません。アップデートの際、片パスが閉塞されたことを
示すメッセージがsyslogに登録されますが無視してください。
・アップデート完了後は、パスの閉塞が解除されます。
【6】 適用時の依頼/注意事項(アップデート作業中の異常について)
・アップデート中にアップデートコマンドが異常終了したり、接続(ログイン)
が切断されてアップデート作業が継続できなくなった場合は、
「iStorage アップデートトラブルシューティング」の「アップデート中に
原因を特定できない異常終了となったら」を参照して対応してください。
(「iStorage ストレージ制御ソフト アップデートガイド VMware環境対応版」
を参照してアップデートしている場合は、同文書の「アップデート中に原因を
特定できない異常終了となったら」を参照してください)
・何らかの理由(装置故障など)でアップデート作業が継続出来なくなった場合は、
「iStorage アップデートトラブルシューティング」の「アップデート作業が
継続できなかったら・・・」を参照して対応してください。
(「iStorage ストレージ制御ソフト アップデートガイド VMware環境対応版」
を参照してアップデートしている場合は、同文書の「アップデート作業が
継続できなかったら・・・」を参照してください)
・アップデート用のコマンドや、アップデートキャンセル用のコマンドが応答
しなくなった場合は、「iStorage アップデートトラブルシューティング」
の「アップデートコマンドの応答がなくなったら・・・」を参照して
対応してください。
(「iStorage ストレージ制御ソフト アップデートガイド VMware環境対応版」
を参照してアップデートしている場合は、同文書の「アップデートコマンド
の応答がなくなったら・・・」を参照してください)
【7】 適用時の依頼/注意事項(サーバのOSにHP-UXを利用しているときのみ)
iSMvollistコマンドにてスナップショットのLinkVolumeが表示されない場合が
あります。装置とサーバ間がシングルパスの状態で、iSMvollist -r コマンドを
実行すると、ボリューム対応表にスナップショットのLinkVolumeが登録されない
場合があるためです。冗長パスが確保された状態で、iSMvollist -r コマンドを
発行してください。
【8】データ移行機能利用時の注意事項(1)
・データ移行途中に装置停止が必要となった場合、または修正物件のアップデートを
適用する場合は、データ移行が完了してから実施するか、または、データ移行の
中断指示を行ってから実施してください。なお、データ移行を中断した場合は
装置再起動後に再開指示を行ってください。
【9】データ移行機能利用時の注意事項(2)
データ移行機能を利用する環境では、以下のような現象が発生することがあります。
影響により問題がある場合は、(回避方法)にしたがった構成にしていただきますよう
お願いします。
(現象)
(1) レプリケーション管理のリンク画面で報告されるデータレプリケーション
機能のリンクパス情報に、データ移行のペアを構成するディスクアレイ
装置間のリンクパス情報が含まれる。
(2) iSMrc_arrayinfoコマンドの -linfo指定時に報告されるデータレプリ
ケーション機能のリンクパス情報に、データ移行のペアを構成するディスク
アレイ装置間のリンクパス情報が含まれる。また、データ移行元のディスク
アレイ装置のニックネームが「-」で表示される。
(3) iSMrc_ldlist -crコマンドが以下のエラーを出力して異常終了する。
iSM13705: Receive data is incorrect. Data mismatch may has occurred
in iSM/Server.
(影響)
RDRの正しいリンク情報を参照することができません。
ただし、レプリケート・セパレート操作でリンク情報を意識することはないため、
レプリケーションの運用への影響はありません。
(回避方法)
データ移行の移行元と移行先の双方のディスクアレイ装置を、1台のiSMから同時に
監視するように構成してください。