[WebOTX] Linux において IPv6 を無効にすると、CORBAクライアントやVisualBasicクライアントに対するアライブチェック機能が動作しない問題について
概要
クライアント管理ライブラリを利用しているCORBAクライアントアプリケーションや、CORBAゲートウェイを使用するVisualBasicクライアントアプリケーションを利用している場合、LinuxでIPv6を無効にすると、そのクライアントアプリケーションに対するアライブチェック機能や非同期メッセージ送信機能が利用できない。
詳細
Linux でIPv6を無効にして、WebOTX Application Server Standard/Enterprise を起動すると、クライアントの生存状況を監視するプロセス(iiopAsync)が異常終了します。
そのため、次のクライアントアプリケーションを利用している場合、そのクライアントアプリケーションに対するアライブチェック機能や非同期メッセージの送信機能が利用できません。
- クライアント管理ライブラリを利用しているCORBAクライアントアプリケーション
- CORBAゲートウェイを使用するVisualBasicクライアントアプリケーション
クライアント管理ライブラリの機能を利用しているかどうかを確認するには、クライアントアプリケーションのソースコードを確認する必要があります。
(CORBA C++ クライアントの場合)
- include "WOTrmMan.h" が含まれる
- WO_TerminalManagerクラスのオブジェクトを生成し、SetFactoryObject()を呼び出している
- 以下のいずれかのファイルをリンクしている
(Windows:x86)wotermn2005.lib, wotermn2008.lib, wotermn2010.lib, wotermn2012.lib, woterm_2013_32.lib
(Windows:x64)woterm2005.lib, woterm2008.lib, woterm2010.lib, woterm2012.lib, woterm_2013.lib
(HP-UX/Linux/Solaris)libwoterm.so
(CORBA Java クライアントの場合)
- import jp.co.nec.WebOTX.TerminalManager が含まれる
- jp.co.nec.WebOTX.TerminalManagerクラスのオブジェクトを生成し、SetFactoryObject()を呼び出している
- CLASSPATH環境変数に WOTXTRM.jar を登録している
(CORBAゲートウェイを利用するVisualBasicクライアントの場合)
- WebOTX.Bridge オブジェクトの AliveCheck(True) または AsyncMessage(True) を呼び出している
ただし、これらの機能は、クライアントアプリケーションそのものの動作には影響を与えないため、クライアントアプリケーション自体は正常に動作します。
本事象に該当する場合、異常終了したiiopAsyncがゾンビプロセス(<defunct>)として残ります。
ただし、このプロセスはWebOTXのドメインの停止時(もしくはドメインのTPシステムの停止時)に消去されます。
また、本事象に該当する場合には、WebOTXのドメイン起動時に以下のログが出力されます。
<出力場所>
${Instanceroot}/logs/tpsystem/${システム名}_IIOPLsn.log
${Instanceroot}の既定値は /opt/WebOTX/domains/domain1 、
${システム名}の既定値は MySystem
<出力内容>
Error: Can't create socket for terminal management. major=1001 minor=97
影響のある製品
次の製品に影響があります。
- WebOTX Application Server Standard Edition V7.1
- WebOTX Application Server Enterprise Edition V7.1
- WebOTX Application Server Foundation V8.2~V8.5
- WebOTX Application Server Standard V8.2~V9.3(※)
- WebOTX Application Server Enterprise V8.2~V9.3(※)
(※)WebOTX Application Server Enterprise V9.3については、WebOTX Media V9 Release 5 からインストールした製品の場合に影響があります。
WebOTX Media V9 Release 6 以降からインストールした製品に影響はありません。
ご利用の製品が WebOTX Media V9 Release 5 からインストールされているかどうかを確認するには、以下のコマンドを実行し、バージョン番号を確認します。
- # /opt/WebOTX/bin/otxadmin version --verbose
バージョン = WebOTX 9.30.00.xx (build xxxxxxxx)
コマンド version は正常に実行されました。
WebOTX Media V9 Release 5からインストールした場合には、「バージョン = WebOTX ...」の行の中に、「9.30」で始まる値が表示されます。
対処方法
WebOTX Application Server Foundation/Standard/Enterprise V8.4では、本事象に対する修正が標準修正モジュールに含まれておりますので、適用してください。
(注意) パッチモジュールは製品保守契約を結んでいただいたお客様に限定して提供させていただいています。
まだ契約がお済でないお客様は、保守契約締結の後、ダウンロードをお願いいたします。
その他のバージョンでは修正モジュールの公開時期を検討しておりますので、急ぎパッチモジュールが必要な場合はお問い合わせください。
回避策
Linux OSのIPv6を無効にする必要が無い場合、有効にしてください。
有効にする手順につきましては、ご使用のLinux OSの仕様をご確認ください。
更新履歴
- 2015/10/06 初版
- 2016/03/15 第2版 「詳細」にゾンビプロセスの説明を追記、「影響のある製品」のバージョンを修正、「対処方法」にV8.4のパッチモジュールを追記
製品名カテゴリ
WebOTX
WebOTX Application Server
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コンテンツID:
3010101506
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公開日:
2015年10月06日
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最終更新日:2018年02月06日