アプリケーションの仕様およびOSの仕様に依存します。
- アプリケーション側でsocket作成時に明示的にフローティングIPリソースのIPアドレスや仮想IPリソースのIPアドレスにbindしている場合には、フローティングIPリソースのIPアドレスや仮想IPリソースのIPアドレスになります。
- アプリケーション側で明示的にIPアドレスを指定していない場合は、OSによりIPアドレスが選択されます。
CLUSTERPRO X 5.1 for Windows 以降を使用している場合、フローティングIPリソースのリソース調整プロパティにて「送信元変更機能を使用する」を有効にすることで、フローティングIPリソースのIPアドレスをソースアドレスに明示的に設定することが可能です。
- SkipAsSourceフラグを有効にすることで、そのIPアドレスをソースアドレスとして明示的に使用しないようにすることが可能です。
SkipAsSourceフラグを使用してクラスタを構築する設定例を以下に紹介します。
■設定例1
フローティングIPリソースのIPアドレスに対してSkipAsSourceフラグを有効にする例
(フローティングIPリソースのIPアドレスがソースアドレスとして使用されなくなります。)
<設定の概要>
フローティングIPリソース活性後に、スクリプトリソースscript1により、フローティングIPリソースのIPアドレスに対してSkipAsSourceを有効にします。
<設定手順>
-
Cluster WebUI/WebManagerを起動し、[設定モード]に切り替えます。
-
以下の依存関係となるようにスクリプトリソースを1つ追加し、フローティングIPリソースの依存関係を変更します。
※ | 全体の依存関係は以下で確認できます。
・Cluster WebUIの場合: グループのプロパティ→[全体の依存関係]タブ
・WebManagerの場合: 左ペインのグループを選択→右ペインの[全体の依存関係]タブ
|
深度 |
名前 |
依存リソース |
1 |
フローティングIPリソース |
なし |
2 |
script1 ※新規に追加するスクリプトリソース |
フローティングIPリソース |
-
script1の start.bat の「:NORMAL」ラベルと「:FAILOVER」ラベルの直後に、以下のコマンドラインを追加します。
(以下のコマンドラインでは、一度フローティングIPリソースのIPアドレスを削除し、SkipAsSource フラグを有効にして再度追加します。)
netsh interface ipv4 delete address <インタフェース名> <フローティングIPリソースのIPアドレス>
netsh interface ipv4 add address <インタフェース名> <フローティングIPリソースのIPアドレス> <ネットマスク> skipassource=true store=active
<例>
netsh interface ipv4 delete address "イーサネット" 192.168.1.10
netsh interface ipv4 add address "イーサネット" 192.168.1.10 255.255.255.0 skipassource=true store=active
-
[設定の反映]を実行します。
※ | クラスタ起動状態の場合、グループの停止、クラスタサスペンド、クラスタリジュームを促すメッセージが表示されますので[OK]ボタンを押します。 |
■設定例2
実IPアドレスに対してSkipAsSourceフラグを有効にする例
(実IPアドレスがソースアドレスとして使用されなくなります。)
<設定の概要>
フローティングIPリソース活性後に、スクリプトリソースscript2により、実IPアドレスに対してSkipAsSourceを有効にます。
また、フローティングIPリソース非活性後に、スクリプトリソースscript1により、実IPアドレスに対してSkipAsSourceを無効にます。
<設定手順>
-
Cluster WebUI/WebManagerを起動し、[設定モード]に切り替えます。
-
以下の依存関係となるようにスクリプトリソースを2つ追加し、フローティングIPリソースの依存関係を変更します。
※ | 全体の依存関係は以下で確認できます。
・Cluster WebUIの場合: グループのプロパティ→[全体の依存関係]タブ
・WebManagerの場合: 左ペインのグループを選択→右ペインの[全体の依存関係]タブ
|
深度 |
名前 |
依存リソース |
1 |
script1 ※新規に追加するスクリプトリソース |
なし |
2 |
フローティングIPリソース |
script1 |
3 |
script2 ※新規に追加するスクリプトリソース |
フローティングIPリソース |
-
script1の stop.bat の末尾に以下のコマンドラインを追加します。
(以下のコマンドラインでは、一度実IPアドレスを削除し、SkipAsSource フラグを無効にして再度追加します。)
netsh interface ipv4 delete address <インタフェース名> <実IPアドレス>
netsh interface ipv4 add address <インタフェース名> <実IPアドレス> <ネットマスク> skipassource=false
<例>
netsh interface ipv4 delete address "イーサネット" 192.168.1.11
netsh interface ipv4 add address "イーサネット" 192.168.1.11 255.255.255.0 skipassource=false
-
script2の start.bat の「:NORMAL」ラベルと「:FAILOVER」ラベルの直後に、以下のコマンドラインを追加します。
(以下のコマンドラインでは、一度実IPアドレスを削除し、SkipAsSource フラグを有効にして再度追加します。)
netsh interface ipv4 delete address <インタフェース名> <実IPアドレス>
netsh interface ipv4 add address <インタフェース名> <実IPアドレス> <ネットマスク> skipassource=true
<例>
netsh interface ipv4 delete address "イーサネット" 192.168.1.11
netsh interface ipv4 add address "イーサネット" 192.168.1.11 255.255.255.0 skipassource=true
-
[設定の反映]を実行します。
※ | クラスタ起動状態の場合、グループの停止、クラスタサスペンド、クラスタリジュームを促すメッセージが表示されますので[OK]ボタンを押します。 |