パッチ適用などアップデートを実施される時は事前にバックアップを採取していただき、不具合が見つかった場合にはバックアップから復旧していただく手順を推奨しており、ご質問の方法はパッチ適用中の可用性が低下することから、ftサーバとしては推奨していません。
ご質問の方法でパッチ適用などアップデートを実施する手順を以降に記載しますが、推奨手順ではないことをご理解いただいた上で実施される場合は、事前にお客様の評価環境などで十分な検証をしていただきますようお願いします。
1.保管するディスクの取り外し
以下の手順で内蔵ディスクを取り外して保管します。
- ftサーバが二重化状態になっていることを確認します。
- ftサーバをシャットダウンします。
- セカンダリ側のモジュールから内蔵ディスクを取り外します。
2.片系(非二重化)状態でのアップデートの実施および動作確認
以下の手順でアップデートを実施して、動作確認を行います。ただし、ここではftサーバの片系モジュールだけで起動している(非二重化)状態のため、ハードウェア故障が発生すると汎用サーバと同様にシステムダウンにつながる可能性がある点にご注意ください。
- プライマリ側のモジュールにのみディスクを装てんしてftサーバを起動します。
- パッチ適用などアップデートを実施して、動作確認を行います。
- 動作確認した結果、アップデートを確定するか、アップデート前に戻すかを判断します。
3.再同期先ディスクの用意
アップデートを確定する場合、またはアップデート前に戻す場合のどちらの場合でも、すべてのディスクの再同期(コピー)先として新品のディスク、または物理フォーマットしたディスクが必要になります。
新品のディスクをご用意できない場合は以下の手順でディスクの物理フォーマットを行います。ディスクの物理フォーマットはSAS Configuration ユーティリティを使用するため、その間はOSを起動できません。また、ディスクの物理フォーマットは1台ずつしか行えません。物理フォーマットの所要時間は 300GBディスクの場合、約60~100分です。
- ftサーバをシャットダウンします。
- 物理フォーマットするディスクだけを装てんします。
- ディスクの物理フォーマットを行います。
詳細はご使用のftサーバに添付されたユーザーズガイドを参照してください。
4.ディスクの再同期(コピー)
アップデートを確定する場合は上記手順2 の 2 で動作確認を行った時のディスク、アップデート前に戻す場合は上記手順1 の 3 でバックアップとして保管しておいたディスクをプライマリ側のモジュールに装てんした状態で以下の手順でディスクの再同期(コピー)を行います。
- プライマリ側のモジュールにのみディスクを装てんしてftサーバを起動します。
- ディスクの再同期先に新品のディスク、または物理フォーマットしたディスクを装てんします。
- RDR Utility画面で再同期先のディスクにRDR設定を行います。
ディスクの再同期処理が開始します。
詳細はご使用のftサーバに添付されたユーザーズガイドを参照してください。
- ディスクの再同期処理が終了して、ftサーバが二重化状態になりましたら、作業は完了です。
【備考】
Express5800/320Fc 以降かつ Express5800/R320d 以前のftサーバの場合には、Active Upgrade を使用してftサーバの片系モジュールでパッチ適用などアップデートを行って、動作確認した上でアップデートを確定させるか、アップデート前に戻すかを判断するという操作を行うことができます。
Active Upgrade については、下記のサイトをご参照ください。