メモリの使用率が高い場合や、システムが高負荷状態となりレスポンスが低下している場合など、システムが不安定な状況になる原因の調査には、パフォーマンスログやメモリダンプからの調査が有効な手段となります。
システムが応答しないなどの理由で運用が継続できない状況であれば、( 電源ボタンの長押しによる強制再起動ではなく )DUMP (NMI) スイッチを押下してメモリダンプを採取してください。
ただし、メモリダンプの採取ではシステムの強制再起動を伴うため、システムの運用が継続可能であり、また、システムの再起動ができない状況であれば、まず、パフォーマンスログを採取して、システムの負荷状況の推移を確認してください。
下記の設定にて、パフォーマンスログを採取して、原因の切り分けをしていただいた結果、Windows OS や ft制御ソフトウェアなどの PPサポート対象物件で異常なリソース消費などがありました場合には、原因の切り分け結果や採取資料(メモリダンプやCollectログ)と合わせてお問合せください。
切り分けをしていただいた結果、お客様ご利用のアプリケーションに原因がある場合には、お客様にて調査をお願いいたします。
パフォーマンスログ採取には多少の負荷を伴いますが、システムに影響を及ぼすほどの負荷を与えるという報告は、これまでにありません。ただし、パフォーマンスログの採取期間が長くなった場合、ログファイルサイズが大きくなることが想定されますので、パフォーマンスログ出力先の空き容量には十分ご注意願います。
なお、パフォーマンスログ採取に伴う負荷やログファイルサイズは、お問合せ環境の構成や、サンプル間隔、ログの採取期間などに依存するため、明確な数値を当方から提示させていただくことはできません。数時間ないし、1日程度のサンプル状況を確認し、ログファイルの格納先に余裕が無ければ、ログの一時停止とログファイルの別ボリュームへの移動をしていただくか、サンプリング間隔を延ばすなどの対処をしてください。
パフォーマンスログ採取手順
パフォーマンスログは、現象発生前から現象発生後しばらくの期間を、継続して採取してください。
障害事象発生後の採取では、発生要因の特定ができないことがあります。
<補足>
Windows Server 2008 以降、パフォーマンスログは 3日間 (72時間) 以上連続して採取できませんので、継続して採取する場合は、下記の「
パフォーマンスログを4日目以降採取する場合」を参照してください。
Windows Server 2008 以降のパフォーマンスログ採取手順
<補足>
以下の手順は、Windows Server 2008 R2 での表記を元に説明しています。操作手順に違いはありませんが、OS 毎に表示が異なる部分があります。
Windows Server 2008 では、[パフォーマンス] は [信頼性とパフォーマンス] と表示されます。
Windows Server 2012 以降では、「使用可能なカウンター」 欄の [+] マーク は [v] マークと表示されます。
-
ローカルコンピュータの Administrators グループまたは Performance Log Users グループに所属するユーザーでコンピュータにログオンしてください。
-
スタートメニューの [ファイル名を指定して実行] で perfmon と入力し [OK] ボタンをクリックします。
-
画面左のコンソール ツリーより、[パフォーマンス]、[データ コレクター セット] を順に展開し、[ユーザー定義] を右クリックし、表示されるメニューから [新規作成] - [データ コレクター セット] を実行します。
-
名前欄に名前 (*1) を入力し、[○手動で作成する] を選択し、[次へ] ボタンをクリックします。
(*1) ここで指定するデータ コレクター セット名は、8.で指定するデータの保存場所にフォルダ名として作成されますので、他のデータ コレクター セット名と区別しやすい名前を指定することを推奨します。
-
[○データ ログを作成する] を選択し、 [□パフォーマンス カウンター] にチェックをつけて、 [次へ] ボタンをクリックします。
-
[追加] ボタンをクリックします。
画面左の [使用可能なカウンター]欄で、以下の各項目についてそれぞれ、項目名(下記①)をクリックした後、[+] マーク(下記②部)をクリックします。配下のカウンター全てが選択されたことを確認 (*2) した後、[追加] ボタン (下記④)をクリックします。
- Processor
- Processor Information
- Cache
- LogicalDisk
- Memory
- Network Interface
- PhysicalDisk
- Process
- Server
- System
(*2) 項目名をクリック後に、[選択したオブジェクトのインスタンス]欄が表示される場合には、<すべてのインスタンス> (下記③)を選択して下さい。

(上記画面で[追加] ボタン (上記④)をクリックすると、画面右側の
「追加されたカウンター」 に選択したカウンターが追加されます。)

すべて追加し終えたら [OK] ボタンをクリックします。
[パフォーマンス カウンター] リストボックスの内容が以下のとおりとなっていることを確認します。
\Cache\*
\LogicalDisk(*)\*
\Memory\*
\Network Interface(*)\*
\PhysicalDisk(*)\*
\Process(*)\*
\Processor(*)\*
\Processor Information(*)\*
\Server\*
\System\*

-
[サンプルの間隔] は「問題が発生するまでの平均経過時間」や「現象の継続期間」に応じて、30 秒 ~ 5 分程度 (*3) に設定し、[次へ] ボタンをクリックします。
(*3) 上記の [サンプルの間隔] は目安の数値となります。現象発生期間内に少なくとも 10 点以上はサンプルいただくことが望ましいです。
-
データの保存場所を指定し、 [完了] ボタンをクリックします。
-
4.で指定した名前が、[パフォーマンス] - [データ コレクター セット] - [ユーザー定義] 配下に作成されていますので、クリックします。
-
画面右側に表示される DataCollector01 を右クリックし、表示されるメニューから [プロパティ] を選択します。
DataCollector01 のプロパティ画面が表示されます。
-
[パフォーマンス カウンター] タブをクリックし、[ログ フォーマット] で“バイナリ” (*4) を選択します。
(*4) [ログ フォーマット] が“バイナリ”以外の場合、パフォーマンスログ採取開始後に起動されたプロセスのパフォーマンス採取ができないため、バイナリ形式 (.blg) で採取願います。
-
[OK] ボタンをクリックします。
-
パフォーマンスログを採取する準備ができたら、採取を開始します。
[パフォーマンス] - [データ コレクター セット] - [ユーザー定義] -
[4.で指定した名前] を右クリックし、表示されるメニューから [開始] を選択します。
-
13. で開始したログの採取を停止する場合には、[停止] を選択します。
-
8.で指定したフォルダ (*5) 配下のファイル、フォルダをご提供ください。
(*5) デフォルトでは C:\Perflogs\Admin 配下に 4.で指定した名前のフォルダが作成されます。
Windows Server 2003 のパフォーマンスログ採取手順
-
ローカルコンピュータの Administrators グループまたは Performance Log Users グループに所属するユーザーでコンピュータにログオンしてください。
-
スタートメニューの [ファイル名を指定して実行] で perfmon と入力し [OK] ボタンをクリックします。
-
画面左のコンソール ツリーより、コンソール ルートの [パフォーマンス ログと警告] の左の [+] をクリックし展開します。
-
[カウンタ ログ] を右クリックし [新しいログの設定] を実行します。
-
名前を入力 (*6) し、[OK] ボタンをクリックします。
(*6) ここで指定する名前は、カウンタ ログ ファイル名のプレフィックスとなりますので、他のカウンタ ログ ファイル名と区別しやすい名前を指定することを推奨します。
-
[カウンタ] の下の [カウンタの追加] ボタンをクリックします。
-
下記の項目を [パフォーマンスオブジェクト] より選択し、それぞれについて[○すべてのカウンタ] と [○すべてのインスタンス] を選択し [追加] ボタンをクリックします。
- Processor
- LogicalDisk
- Memory
- Network Interface
- PhysicalDisk
- Process
- Server
- System
すべて追加し終えたら [閉じる] ボタンをクリックします。
[カウンタ] リストボックスの内容が以下のとおりとなっていることを確認します。
\\マシン名\LogicalDisk(*)\*
\\マシン名\Memory\*
\\マシン名\Network Interface(*)\*
\\マシン名\PhysicalDisk(*)\*
\\マシン名\Process(*)\*
\\マシン名\Processor(*)\*
\\マシン名\Server\*
\\マシン名\System\*
-
[データのサンプル間隔] は「問題が発生するまでの平均経過時間」や「現象の継続期間」に応じて 30 秒 ~ 5 分程度 (*7) に設定してください。
(*7) 上記のサンプル間隔は目安の数値となります。現象発生期間内に少なくとも 10 点以上はサンプルいただくことが望ましいです。
-
[適用] ボタンをクリックします。
-
「ログ フォルダに指定したフォルダ ’xxxxxxxx’ が検出できないか、またはアクセスできませんでした。フォルダを作成しますか?」というダイアログが表示された場合は [はい] をクリックします。
-
[ログ ファイル] タブをクリックし、[ログファイルの種類] を ”バイナリ ファイル” (*8) に設定します。
(*8) [ログファイルの種類] が “バイナリ ファイル” 以外の場合、パフォーマンスログ採取開始後に起動されたプロセスのパフォーマンス採取ができないため、バイナリ形式 (.blg) で採取願います。
-
[適用] ボタンがクリックできる場合には、[適用] ボタンをクリックします。
-
[スケジュール] タブをクリックし、ログの開始を [○手動(ショートカット メニューを使用)] に設定します。
-
[適用] ボタンをクリックします。
-
[OK] ボタンをクリックします。
-
画面左のコンソール ツリーより、[パフォーマンス ログと警告] - [カウンタログ] をクリックし、画面右に表示される 5.で指定した名前で作成されたカウンタログを右クリックし [開始] を選択します。
その後、ログファイルタブで指定されたフォルダ (デフォルトは C:\PerfLogs) の中に、パフォーマンスログが .blg 形式で作成されます。
-
ログ採取を停止する場合は作成したカウンタログを右クリックして [停止] をクリックします。
パフォーマンスログを4日目以降採取する場合
Windows Server 2008 以降、[停止条件] の設定にかかわらず、パフォーマンスモニタで [データ コレクター セット] に紐づいたタスクの [タスクを停止するまでの時間] は、3 日間に設定されます。連続してパフォーマンスログの採取を行なう場合は、72 時間以内にデータコレクターセットの 停止/開始 を行なうようなスクリプトを作成し、タスクスケジューラより該当のデータコレクターセットを実行するタスクを作成するなどの対処が必要となります。
-
[信頼性とパフォーマンス モニタ] にユーザーが定義した、[データ コレクタ セット] は、4 日目以降情報が取得されない。
<ご参考>
3日間以上パフォーマンスログを採取する場合の例として、該当のデータコレクターセットを起動し 72時間以内にデータ コレクター セットの停止/起動 を行なうようなスクリプトを作成し、タスクスケジューラより実行していただく方法などがあります。
データ コレクター セットの起動/停止は、下記 logman コマンドにて実行可能です。
logman start -n XXXXXXX
logman stop -n XXXXXXX
※XXXXXXXはデータ コレクター セット名となります。
[参考情報]
-
logman の開始 |停止
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc788121(v=ws.10).aspx
なお、スクリプト作成に関するお問い合わせにつきましては、PPサポートの対象外となりますので、予めご了承願います。
ログファイルローテーション設定手順
ディスクの空き容量が不足している場合などで、パフォーマンスログサイズの上限を設定して循環ログとして採取したい場合は、下記の手順を参考に設定してください。
ログファイルローテーション設定手順
-
ローカルコンピュータの Administrators グループに所属するユーザーでコンピュータにログオンします。
-
スタートメニューの [ファイル名を指定して実行] で perfmon と入力し [OK] をクリックします。
-
画面左のコンソール ツリーより、[データ コレクター セット] - [ユーザー定義] をクリックし、画面右側に表示される設定したデータコレクターセットを右クリックし、プロパティを表示します。
-
[停止条件タブ] を選択し、[制限値] の欄にある [□制限に達したらデータコレクターセットを再開する] にチェックをつけ、[□最大サイズ] にチェックをつけ、ログファイルの上限値を設定し、[OK] をクリックします。
※例:ログサイズを 500MB とする場合、「最大サイズ」を「500」に設定します。
-
[データ コレクター セット] - [ユーザー定義] - [4.で設定したデータ コレクター セット名] をクリックし、画面右側表示されるパフォーマンスカウンター( DataCollector01 )を右クリックして、プロパティを表示します。
-
[ファイル] タブを選択し、[ログモード] の欄の [□循環(ゼロ以外の最大ファイルサイズが必要です)] にチェックをつけ、[OK] をクリックし、プロパティを閉じます。