機種が Express5800/R320a ~ R320g、かつ、OS が Windows Server 2008 以降のモデルでは、出荷時に DedicatedDumpFile を設定しております。
「ソース:volmgr(ID:46)」は、初期設定されている DedicatedDumpFile で指定したファイルが断片化した場合に、イベントログに出力されることがあります。
「ソース:volmgr(ID:49)」は、DedicatedDumpFile の設定を解除した環境でページングファイルのサイズが物理メモリサイズより小さい場合や、メモリダンプの種別を「完全メモリダンプ」に変更した環境で DedicatedDumpFile の設定サイズが物理メモリサイズより小さい場合に、イベントログに出力されることがあります。
これらのエラーが表示される状態では、システムに障害が発生した際にメモリダンプが正常に採取できないことがありますので、以下に記載の内容をご確認のうえ、設定の見直しを実施してください。
DedicatedDumpFile で指定したファイル(初期値 C:\NtKernel.dmp ) が断片化した場合、イベントログに volmgr (ID:46) のエラーが出力されることがあります。
ソース :volmgr
イベントID:46
種類 :エラー
説明 :クラッシュ ダンプを初期化できませんでした。
断片化が進行していても、OSによる確認のタイミングにより、再起動時に volmgr (ID:46)が必ず出力される訳ではありませんが、この断片化を解消しない限りエラーが継続します。
断片化の発生条件は、以下となります。
DedicatedDumpFile で指定したファイルが過度に断片化している場合は、メモリダンプの生成に失敗する場合がありますので、下記
(対処方法1)~
(対処方法3)を参考に、いずれかの方法で設定の見直しを実施してください。
<補足>
下記
(対処方法2)と
(対処方法3)で実施する DedicatedDumpFile 設定の解除や変更の方法については、以下のコンテンツに詳細な説明が記載されております。
コンテンツ内容を参照のうえ、お客様の環境に応じて、DedicatedDumpFile の設定の見直しを実施してください。
(対処方法1) 修正プログラム (KB2707576) の適用
Windows Server 2008 R2 環境では、過度に断片化したファイルのオープン時に STATUS_SHARING_VIOLATION (0xC0000043) で失敗する不具合に対する修正プログラムが公開されています。
ご利用の環境が Windows Server 2008 R2 の場合には、修正プログラム (KB2707576) の適用で本事象が改善されますので、適用のご検討をお願いいたします。
-
"STATUS_SHARING_VIOLATION" error message when you try to open a highly fragmented file on a computer that is running Windows 7 or Windows Server 2008 R2
https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/2707576
※修正プログラムの適用には、システム再起動が必要となります。
(対処方法2) DedicatedDumpFile のファイルの削除
ページングファイルのサイズを適正値に設定されている場合には、DedicatedDumpFile の設定を解除する事が可能です。
DedicatedDumpFile で指定したファイル(C:\NtKernel.dmp)を削除する事で、本事象は発生しなくなります。
(対処方法3) 断片化の解消のためにデフラグを実行する
DedicatedDumpFile で指定したファイルの保存先ドライブの断片化の解消のため、以下の手順でデフラグを実行します。
- DedicatedDumpFile の設定を一旦解除して C:\NtKernel.dmp ファイルを削除する
- DedicatedDumpFile の指定先のドライブに、デフラグを実行する
- DedicatedDumpFile を再設定する
<補足>
デフラグの実行による断片化の解消で、本事象を回避する事が可能となりますが、ドライブの利用状況によっては、再度断片化が発生する可能性も考えられます。その場合には、(対処方法1)または(対処方法2)の実施をご検討ください。
<補足:デフラグの実行方法について>
上記
(対処方法3)を実施する際の、デフラグの実行方法について補足します。
<実行方法>
コマンドプロンプトを管理者権限で起動し、以下のコマンドでデフラグを実行します。
(例:DedicatedDumpFile の指定が初期値 C:\NtKernel.dmp の場合)
defrag C:
<デフラグ実行時の留意事項>
- デフラグ実行中はディスクアクセスが多く発生しますため、実行に際しては、業務への影響が少ない時間帯での実行をご検討願います。
またデフラグの所要時間に関しては、ファイルやフォルダ数、ボリュームの断片化の状態やディスクアクセス性能など、環境に大きく依存するものになるため、具体的な所要時間をご提示することはできません。
- ディスクデフラグでは、他のプロセスで排他的にオープンされているファイルはデフラグ対象外となり、断片化は解消されません。
(アプリケーションで独占的に使用するためにロックされているファイルは、デフラグの対象外となります。)
このため、デフラグ対象であるドライブ内のファイルをロックして使用するようなアプリケーションがある場合には、アプリケーションの動作を停止するなどの対応を実施願います。
下記のような場合、イベントログに volmgr(ID:49) のエラーが出力されることがあります。
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上述の volmgr(ID:46) が出力された場合の対処などで、DedicatedDumpFile の設定を解除した環境で、ページングファイルのサイズが物理メモリのサイズより小さい場合。
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メモリダンプの種別を「完全メモリダンプ」に変更した環境などで、 DedicatedDumpFile の設定サイズが物理メモリのサイズより小さい場合。
ソース :volmgr
イベントID:49
種類 :エラー
説明 :クラッシュ ダンプのページング ファイルの構成に失敗しました。
ブート パーティションに ページング ファイルがあり、ページング ファイルの大きさがすべての物理メモリを含むのに十分であることを確認してください。
DedicatedDumpFile の設定を解除した場合の対処
DedicatedDumpFile の設定を解除した場合には、システムディスク(Cドライブ)のページングファイルのサイズを、物理メモリ+300MB (または400MB
※2) 以上(推奨値は物理メモリサイズの 1.5 倍以上)に設定することで volmgr(ID:49)が出力されなくなります。
お客様の環境に応じて、ページングファイルの設定の見直しを実施してください。
※2:OS 毎に必要となるページングファイルのサイズは以下となります。
Windows Server 2008 (R2を含む) の場合には、物理メモリ+ 300MB以上。
Windows Server 2012 以降の場合には、物理メモリ+ 400MB以上。
DedicatedDumpFile の設定サイズが物理メモリサイズより小さい場合の対処
DedicatedDumpFile の設定サイズが物理メモリのサイズより小さい場合には、システムディスク(Cドライブ)のページングファイルのサイズを、物理メモリ+300MB(または400MB
※2)以上(推奨値は物理メモリサイズの 1.5 倍以上)に設定することが可能であれば、DedicatedDumpFile の設定を解除していただくことで、volmgr(ID:49)が出力されなくなります。
もし、システムディスク(Cドライブ)のページングファイルのサイズを拡張できない場合には、DedicatedDumpFile の設定を変更することが必要となります。
DedicatedDumpFile 設定の解除や変更の方法については、以下のコンテンツに詳細な説明が記載されておりますので、コンテンツ内容を参照のうえ、お客様の環境に応じて、DedicatedDumpFile の設定の見直しを実施してください。